公開日:2022年12月27日

【2022年展覧会トップ30】1位は910点! TABアプリユーザの関心度がもっとも高かった展覧会は?

Tokyo Art Beatのアプリで2022年に紹介した約7500件の展覧会・イベント情報の中からもっとも注目を集めた展覧会トップ30を紹介。

2020年から引き続きコロナ禍という状況ではあるものの、展覧会やイベントが多く開かれるようになり、人々の往来も戻りつつある2022年。国内でも著名作家の個展や国際芸術祭が多数開催され、大忙しだったというアートファンも多いのではないでしょうか。Tokyo Art Beatに掲載した2022年開幕もしくは閉幕の展覧会・イベント数は7586件。そのなかから、「ブックマーク」と「行った」のクリップ機能があるTokyo Art Beatのアプリでクリップの総数=点数として集計し、TABアプリユーザの関心度がもっとも高かった展覧会トップ30を紹介します。

ランキングとともに今年1年を振り返ってみましょう。

1位:910点「ゲルハルト・リヒター展」(東京国立近代美術館)

会場風景より、右手に4枚の絵画《ビルケナウ》(2014)、左手に絵画を複製した4枚の写真ヴァージョンの《ビルケナウ》(2015-19)、正面には《グレイの鏡》(2019)が展示されている © Gerhard Richter 2022 (07062022) 撮影:山本倫子

1位に輝いたのは、現代を代表する画家、ゲルハルト・リヒターの日本で16年ぶりとなる大規模個展です。東京国立近代美術館豊田市美術館(2023年1月29日まで開催中)の2館で開催され、大きな反響を呼びました。とくにアウシュヴィッツの強制収容所でひそかに撮影された写真を出発点にした《ビルケナウ》の展示は、ロシアによるウクライナ侵攻が起きた2023年に様々なことを考える契機になったのではないでしょうか。Tokyo Art Beatでも複数の記事で取り上げました。「ブックマーク」は613、「行った」は297。

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2位:613点「ライアン・ガンダー われらの時代のサイン」(東京オペラシティ アートギャラリー)

会場風景より

当初2021年に開催予定だったものの、コロナ禍により延期となっていたライアン・ガンダーの個展が今年開催されました。昨年本人からの協力の申し出により実施された「ガンダーが選ぶ収蔵品展」も、再び上階で合わせて開催され、両展を楽しんだ人も多いのではないでしょうか。「ブックマーク」は385、「行った」は228。

3位:602点「国立新美術館開館15周年記念 李禹煥」(国立新美術館)

会場風景より、《関係項—アーチ》(2022) 撮影:藤江芽衣

3位は「もの派」を代表するアーティストで、国際的に高く評価される李禹煥(リ・ウファン)の、東京では初めての大回顧展。本展は情報が解禁された当初から大きな注目を集めていました。初期作品から代表作、さらに新作も展示され、その創造性を様々な角度から味わうことができる展覧会でした。「ブックマーク」は430、「行った」は172。

4位:565点「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」(森美術館)

会場風景より、《ビルバーガー》(2016/2018)

「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が4位にランクイン。度肝を抜く展示構成や、これまでの足跡を詰め込んだ膨大な作品数などインパクト大で、グループが継続的に扱ってきたテーマや現在の問題意識の射程の深さを改めて感じることができた大規模展。ときに過激ととらえられる方法で社会に介入し、物議を醸してきたグループの個展があの森美術館で!という衝撃もあってか、個人的には今年訪れた内覧会でもっともプレスの数が多かった印象も。クラウドファンディングによる託児所開設、美術館外のサテライト会場、さらに会期中に「Chim↑Pom from Smappa!Group」に改名するなど、会期前から後まで話題をさらいました。「ブックマーク」は353、「行った」は212。フォトレポートはこちら

5位:564点「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」(森美術館)

会場風景より、ヴォルフガング・ライプの展示風景

5位も森美術館の展覧会がランクイン。「地球がまわる音を聴く:パンデミック以降のウェルビーイング」は、パンデミック以降の新しい時代をいかに生きるのか、心身ともに健康である「ウェルビーイング」とは何かについて、現代アートを通して考えるもの。青野文昭、飯山由貴、小泉明郎、金沢寿美、ヴォルフガング・ライプ、オノ・ヨーコ、堀尾昭子、堀尾貞治らが参加。現在の社会状況にヴィヴィッドに応答する展覧会でした。「ブックマーク」は374、「行った」は190。

6位:559点「ダミアン・ハースト 桜」展(国立新美術館)

会場風景より、ダミアン・ハースト《生命の桜》(2019)

「絵画は俺のデビュー時より世間に受容されている。俺も学生時代は画家を見下していた」。そのように語る現代アート界の問題児(?)ダミアン・ハーストが、絵画のみを見せる「ダミアン・ハースト 桜」展。ここ日本で「桜」シリーズを一挙公開ということで、本展はこの春もっとも注目を集め、様々な議論を巻き起こしました。「ブックマーク」は381、「行った」は178。

7位:542点 川内倫子 「M/E 球体の上(東京オペラシティ アートギャラリー)

会場風景より

柔らかな光や淡い色調を特徴とする写真作品で知られ、人間や動物などあらゆる生命がもつ神秘や輝き、儚さ、力強さに迫る川内倫子の個展。本展ではアイスランドなどを舞台に撮影され、地球とのつながりをテーマとする新しい「M/E」シリーズや、コロナ禍における日常を撮影した新作群が展示されました。循環し流動していく存在を繊細にとらえた作品の素晴らしさを、中山英之建築設計事務所がデザインを担当した展示空間で味わうことができました。「ブックマーク」は339、「行った」は203。

8位:542点「アナザーエナジー展: 挑戦しつづける力―世界の女性アーティスト16人」(森美術館)

「アナザーエナジー展:挑戦し続ける力—世界の女性アーティスト16人」展 会場風景

2021年のランキングで1位だった「アナザーエナジー展」が今年もランクイン。2021年4月22日から2022年1月16日まで開催されました。世界各地で挑戦を続ける70代以上の女性アーティスト16名の活動に光を当て、その長いキャリアのなか、ひたむきに挑戦し続けてきた彼女たちの特別な力=「アナザーエナジー」とは何かを考える展覧会。その創造性や人生にエンパワメントされた鑑賞者も多いのではないでしょうか。「ブックマーク」は313、「行った」は229。

9位:515点 「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」(東京都現代美術館)

デザイン、工芸、建築などひとつの分野に収まることのない多様な仕事によって、20世紀の建築・工業デザインの分野に大きな影響を与えたジャン・プルーヴェ。創造の軌跡を総覧する展覧会「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」が9位でした。同時期には東京都美術館で「フィン・ユールとデンマークの椅子」展も開催され、デザイン・建築好きには至福の夏〜秋だったのではないでしょうか。「ブックマーク」は349、「行った」は166。

10位:487点「クリスチャン・マークレー トランスレーティング[翻訳する]」(東京都現代美術館)

2連続で東京都現代美術館での展覧会がランクイン。2021年11月20日から2月23日まで開催されていたクリスチャン・マークレーの個展は、2021年のランキングでも9位に入っており根強い人気がうかがえます。コンセプチュアル・アートとパンク・ミュージックを架け橋してきた伝説的アーティストの日本の美術館初となる大規模な個展で、スペシャルな関連イベントも話題になりました。「ブックマーク」は296、「行った」は191。

11位から30位までは以下の通り。充実した展覧会が多数開かれました。
2022年もTABアプリを活用し、展覧会をお楽しみください。

11位 「ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?」(ポーラ美術館)
12位 「ユージーン・スタジオ 新しい海 EUGENE STUDIO After the rainbow」(東京都現代美術館)
13位 「大竹伸朗展」(東京国立近代美術館)
14位 「フィン・ユールとデンマークの椅子」(東京都美術館)
15位 「アレック・ソス Gathered Leaves」(神奈川県立近代美術館 葉山)
16位 「クリストとジャンヌ=クロード "包まれた凱旋門"」(21_21 DESIGN SIGHT)
17位 「Viva Video! 久保田成子展」(東京都現代美術館)
18位 「視覚トリップ展 ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に」(ワタリウム美術館)
19位 「奇想のモード 装うことへの狂気、またはシュルレアリスム」(東京都庭園美術館)
20位 「ミケル・バルセロ展」(東京オペラシティ アートギャラリー)
21位 「展覧会 岡本太郎」(東京都美術館)
22位 「ジャム・セッション 石橋財団コレクション×柴田敏雄×鈴木理策 写真と絵画−セザンヌより 柴田敏雄と鈴木理策」(アーティゾン美術館)
23位 「柳宗悦没後60年記念展 民藝の100年」(東京国立近代美術館)
24位 「ルートヴィヒ美術館展 20世紀美術の軌跡―市民が創った珠玉のコレクション」(国立新美術館)
25位 ラシード・ジョンソン 「Plateaus」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)
26位 「カラーフィールド 色の海を泳ぐ」(DIC川村記念美術館)
27位 ギルバート & ジョージ 「Class War, Militant, Gateway」(エスパス ルイ・ヴィトン東京)
28位 「鈴木大拙展 Life = Zen = Art」(ワタリウム美術館)
29位 内藤礼 「すべて動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している 2022」(神奈川県立近代美術館 葉山)
30位 「上野リチ : ウィーンからきたデザイン・ファンタジー」(三菱一号館美術館)

福島夏子(編集部)

福島夏子(編集部)

「Tokyo Art Beat」編集長。『ROCKIN'ON JAPAN』や『美術手帖』編集部を経て、2021年10月より「Tokyo Art Beat」編集部で勤務。2024年5月より現職。