
木々の葉も色づき、季節の移ろいを感じる11月。東京では、無料で楽しめる魅力的な展覧会が多数開催されている。今月はInSitu2 – Ibasho(居場所)、日本国憲法展、森万里子展など、無料で気軽に訪れることができる展覧会を9件セレクトした。
本展は、現代美術家・玉山拓郎が、大正から昭和初期にかけて活躍した美術家・小村雪岱の作品や思想から着想を得て制作した、新作インスタレーションを中心に構成される。1919年の開廊以来、銀座にある資生堂ギャラリーで、約100年の時を隔てた2人の表現が出会う。ニュースはこちら。
会場:資生堂ギャラリー
会期:11月3日~2027年2月28日
藤岡亜弥は、1972年広島生まれ。ニューヨーク滞在を経て、写真集『川はゆく』で、木村伊兵衛写真賞ほか多数受賞している。本展は、藤岡が9年前、オーストラリア・メルボルン在住の女性から、ある日本人女性の存在をめぐる一通のDM(ダイレクトメッセージ)を受け取ったことに始まる。地元の広島とメルボルン、ふたつの都市の戦後から現在をテーマに制作した作品を展示する。
会場:BUG
会期:10月14日〜11月29日
美術家・津田道子は、身体や映像を通して、世界を認識する方法を独自に探究してきた。近年は、レクチャー・パフォーマンスのようなランニング・イベント「and run」を展開するなど、運動を軸に知覚と身体性へのアプローチを深めている。本展では、津田が近年取り組むダイビングでとらえた海底映像をもとにした新作《呼吸の地質学》などを展示する。なお、津田が手がけた銀座メゾンエルメスのウィンドウ展示も開催中。こちらもあわせてチェックしたい。レポートはこちら。
会場:慶應義塾ミュージアム・コモンズ
会期:10月28日〜12月24日
1947年に施行された日本国憲法は、およそ80年を経たいま、政治的議論の中心にある。本展は、2会場で開催される。無人島プロダクションでは「シェルター」をテーマに人々のレジリエンスに焦点を当て、青山|目黒では「スウェットショップ」をテーマに、権力が身体を規律し、労働を搾取して暴力を生み出す構造を検証する。対照的な周辺地域の戦後史を手がかりに、憲法の理想と現実社会との隔たりを問う。
会場:無人島プロダクション、青山|目黒
会期:11月4日〜11月29日
森万里子は、90年代半ばより国際的なアートシーンで注目を集め、以来、多領域にわたる実践を展開してきた。本展は、30年に及ぶ森の活動を包括する展覧会「森万里子:燦燦」が森美術館で開催されるのに合わせ、同時開催される。森の重要な着想源である「光」をテーマにした同名の連作を中心に構成される。
会場:SCAI PIRAMIDE
会期:11月5日〜12月19日
鈴木ヒラクは、「ドローイング」を絵と言葉のあいだに位置づけ、平面、彫刻、映像、パフォーマンスなど様々な媒体を横断しながら、「線」の表現の可能性を探究してきた作家。本展では、深海や宇宙を想起させる青を背景とした《海と記号》と、赤い顔料を背景とした《Interexcavation》という、対照的な色彩の二連作の新作を展示する。
会場:Yutaka Kikutake Gallery
会期:10月24日〜12月12日
「InSitu2」は、現代のクリエーションを促進する共通のプログラムとして、東京、ミュンヘン、北京のエスパス ルイ・ヴィトンを結ぶプロジェクト。東京では「居場所」をテーマに、物理的な空間という意味だけでなく、そこでなされる行為やひととき、呼び起こされる記憶によって変容する「居場所」の在り方を探る。本プログラムでは、日本の伝統芸能や話芸から、コンテンポラリーな音楽セッションまで、多岐にわたるパフォーマンスを実施。トークイベントや子供向けワークショップも開催する。レポートはこちら。
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:10月24日〜11月27日
渡辺明日香は、アートやデザイン、アートディレクションなど幅広い領域で制作し、動植物や風景を平面的でインパクトのあるかたちと鮮やかな色彩で表現している。本展のタイトル「animate」には、アニマ──魂や生命──そのものの感覚といった意味がある。本展では、渡辺の色とかたちによる構成が生み出す作品世界を紹介する。
会場:TOKYO INTERNATIONAL GALLERY
会期:11月7日〜12月26日
「ARTE TOKYO」の一環として、東京・臨海エリアを舞台に開催される国際美術展。台場、青海、天王洲など、水辺の都市空間に国内外のアーティストが集い、アートを通して東京の新たな風景を描き出す。タイトルの「TOKYO ATLAS」には、神話的存在としてのアトラスと「地図帳」の意味が重ねられている。作品を鑑賞するだけでなく、アートが示す地図をたどりながら、東京という都市をあらためて読み解く機会となる。レポートはこちら。
会場:台場公園、お台場海浜公園、 青海南ふ頭公園、地下駐車場(青海南ふ頭公園内)、テレコムセンタービル、アイルしながわ、WHAT MUSEUM
会期:10月10日〜12月20日
※一部有料プログラムあり