
緑が芽吹き、半袖に腕を通す。そんな初夏を感じるこの季節に東京では、無料で楽しめる魅力的な展覧会が多数開催されている。今月は、大サイン展、ガウディ、クリスチャン・マークレーやウルス・フィッシャーの個展など、無料で気軽に訪れることができる展覧会を10件セレクトした。
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*各展覧会の会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。
公益財団法人日本サインデザイン協会(SDA)の創立60周年を記念した展覧会。サインデザインは現在、都市・建築・公共空間・商業環境・文化活動など多様な領域において、人・場所・社会をつなぐ役割を担っている。本展では「過去・現在・未来」という時間軸からその役割と進化の軌跡を再検証する。
会場:東京ミッドタウン・デザインハブ
会期:4月24日~6月7日
スペイン出身の建築家アントニ・ガウディは、既存の建築様式や技術にとらわれない独自の建築思想のもと、多数の世界遺産に登録される建築物を手がけた。没後100年にあたる2026年に開催される本展では、ガウディが設計した「窓」に焦点を当てる。「窓を考える会社」を掲げるYKK APがこれまでに蓄積した知見・研究成果・模型・共同研究の成果などを紹介し、ガウディの窓の世界を多角的に考察するプロジェクトである。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:5月16日~7月12日
エルネスト・ネトはブラジル生まれの作家。鑑賞者に身体性や存在を再認識させ、他者や宇宙とのつながりを感じさせる作品を制作している。本展では、新作《SymbioZooEthicalBeings – SZEBs》をはじめ、土を素材に2024年に制作された「In Search of a Happy Path(幸福への道を求めて)」シリーズのドローイングが展示される。
会場:小山登美夫ギャラリー六本木
会期:5月2日〜6月13日
アーティストユニット・キュンチョメは、東日本大震災を契機にホンマエリとナブチによって結成された。人間中心主義を超えた「新しい愛のかたち」を探求し、想像力とユーモアに満ちた作品を制作するふたりの姿勢は、本展にも通底している。地球に対する悠久の視点、愛と平和への希求を共通テーマに、私たちよりも長く存在し続けるものに寄り添いながら、地球と自分の関係を見つめ直す機会となるだろう。
会場:Gallery Restaurant 舞台裏
会期:4月15日〜5月31日
ウルス・フィッシャーは、現代美術の既存の枠組みを揺さぶり、ユーモアと哲学的な問いを融合させるアーティスト。本展は、フィッシャーの日本初の個展となる。作家本人をかたどった巨大な一対の蝋彫刻《Mirror》をはじめ、地下空間でのインスタレーション、彩色ブロンズ彫刻、ドローイングが並ぶなかで、鑑賞者に「間違い探し」を促す展示となっている。
会場:ファーガス・マカフリー東京
会期:4月11日〜7月4日
アートディレクター・フジサキタクマによるキャラクター「モールエイリアン」から抜け落ちたモールが突然変異したカラフルなモンスター、モールミュータント。生誕10周年を記念した本展は、香川、バンコクを経て東京を最終会場に開催される。これまでの同企画の流れを受け継ぐ個展であると同時に、過去最大規模となる約100体のモールミュータントが展示・販売される。色鮮やかで個性豊かなモールミュータントの作品世界を体感できる展覧会だ。
会場:GALLERY X
会期:5月9日〜5月18日
クリスチャン・マークレーは、実験音楽の即興的なパフォーマンスを基盤に、聴覚と視覚の結びつきを探る作品を映像、写真、彫刻、絵画、版画など多様なメディアを往還しながら作り続けている。ギャラリー小柳での4回目の個展となる本展では、コラージュの新作シリーズと、レコードジャケットを用いた新シリーズ「Oculi」の最新作が発表される。映像、サウンド、紙の作品をDJのようにサンプリングしつなぎ合わせるマークレーの手法は、見る者の想像力を強く喚起するだろう。
会場:ギャラリー小柳
会期:4月4日〜6月30日
ミュージカル『ミス・サイゴン』(1989)を出発点に、ベトナム戦争とその後に生まれた難民文化・文学に焦点を当てる展覧会。終戦後、多くの人々が「ボートピープル」として祖国を離れ各地に離散するなかで、新たな文化や文学が生まれた。ベトナム戦争終結から半世紀が経った現在もウクライナや中東など世界各地で戦争は続き、難民問題は国際社会の重要な課題であり続けている。歴史的視点から現在の問題を見つめ直す機会となるだろう。
会場:早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)
会期:5月1日~11月8日
また、同館では、「翻訳は国境を越える翼」も開催されている。同館が2024年度より進める「国際文学館翻訳プロジェクト」——若手翻訳者の育成、翻訳文学の発展、世界各国の翻訳者の交流を目的とした取り組み——の2025年度までの活動を紹介する。
会場:早稲田大学 国際文学館(村上春樹ライブラリー)
会期:3月12日~11月8日
編集者・松岡正剛(1944〜2024)は、独自の視点で世界を読み解く「編集工学」を確立し、日本の知の風景に大きな足跡を残した。本展では、松岡の代表的プロジェクトのひとつ「千夜千冊」を紹介する。
会場:世田谷文学館
会期:4月18日~6月14日
西洋の版画には、見る者の笑いを誘う存在として道化がたびたび描かれてきた。本展では、道化/愚者のおどけた姿だけでなく、悲哀を帯びた表情を示す作品にも焦点を当てる。愚かさ、賢さ、哀しみと人間の曖昧で俗っぽい側面を映し出す道化の魅力を西洋版画を通して紹介する。
会場:町田市立国際版画美術館
会期:3月27日〜6月14日