2025年12月開幕のおすすめ展覧会を全国からピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインやTABアプリでブックマークがおすすめ。開幕と閉幕間近はメールでお知らせします。
3年に一度の、日本の現代アートシーンを定点観測的に概観する「六本木クロッシング」。これまで若手からベテランまで多様なアーティストを、ユニークなテーマのもとに紹介してきた同展が、今回はサブタイトルを「時間は過ぎ去る わたしたちは永遠」とし、"時間"という抽象的でありながら普遍的なテーマに挑む。詳細はニュースをチェック。
会場:森美術館
会期:12月3日~2026年3月29日
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メディア・テクノロジーを駆使し、鑑賞者が自分自身の知覚とインタラクションのメカニズムに向き合わされる体験を複数の作品によって提示した三上晴子。1990年代以降に国内外で発表したインタラクティブ・インスタレーションは、人間が世界と接続し関係を結ぶ端緒となる知覚行為そのものをテーマとしてきた。2015年の急逝後、東京都現代美術館への作品収蔵など再評価の動きが広がっている。本展では1990年代後半以降のインタラクティブ・インスタレーションを複数展示するほか、山口情報芸術センター[YCAM]らによる修復・アーカイヴの取り組みも紹介する。
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
会期:12月13日~2026年3月8日
ミューぽんで100円OFF!
1950年から60年代の日本の女性の美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから再評価する展覧会。本展では、中嶋泉による『アンチ・アクション』(2019)のジェンダー研究の観点を足がかりに、草間彌生、田中敦子、福島秀子をはじめとする14名の作家による約100点の作品を紹介する。男性中心的な美術史の語りに異議を唱え、女性の美術家たちの多様な表現を通して、戦後日本美術の新たな側面を浮き彫りにする。兵庫県立美術館(2026年2月28日~5月6日)にも巡回予定。企画を担当したキュレーターへのインタビューはこちら。
会場:東京国立近代美術館
会期:12月16日〜2026年2月8日
大阪に本社を置き、2023年に40周年を迎えた大手ゲームソフトメーカー「カプコン」。1983年の創業以来、『ストリートファイター』『バイオハザード』『モンスターハンター』シリーズなど、世界的人気タイトルを生み出してきた。本展は、ゲーム開発の裏側やゲームクリエイターの情熱に焦点を当て、大阪から世界に向けてその魅力を発信する。開発者たちの「手」による企画書や原画、ポスターやパッケージを含むグラフィックワーク、体験型コンテンツを幅広く展示。ニュースはこちら。
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
会期:12月20日~2026年2月22日
東洋と西洋の文化的風土の違いを強く意識しながら、日本人としていかに油絵を描くべきかを追究した小出楢重。大阪中心部の商家に生まれ、洋行後は衣食住を洋風に改め、大正から昭和初期のモダンな都市文化を体現した。日本女性の体型や肌質をとらえた裸婦、野菜を妖しく描く静物など、西洋美術由来のテーマを日本の感覚で生まれ変わらせた作品で知られる。本展は代表作が一堂に会する25年ぶりの回顧展となる。
会場:府中市美術館
会期:12月20日〜2026年3月1日
ミューぽんで20%OFF!
20世紀後半を代表する米国のアーティスト、ソル・ルウィットは、作品そのものよりもアイデアや制作プロセスを重視する試みによって、1960年代後半の芸術のあり方を大きく転換した。本展は日本の公立美術館における初の個展となり、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど広範な仕事を通じて、既存の枠組みに再考を促してきたルウィットの思考の軌跡をたどる。同時開催の「開館30周年記念 MOTコレクション マルチプル_セルフ・ポートレイト 中西夏之 池内晶子 —弓形とカテナリー」展にも注目してほしい。ニュースはこちら。
会場:東京都現代美術館
会期:12月25日~2026年4月2日
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東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が2018年より実施している中堅アーティスト対象の現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award」。受賞者は海外活動をはじめとする複数年にわたる支援を経て、東京都現代美術館で受賞記念展を開催する。本展は第5回受賞者の梅田哲也と呉夏枝による展覧会となる。近年ともに「海路」や「水路」など水にまつわる考察を作品に取り入れてきた両者。仮想の島々をめぐるように個人の歴史や物語をつなぐ呉のプロジェクトと、パフォーマンスやツアーによって物事の構造を可視化する梅田の新たな導線が、表裏の関係のように緩やかに重なり合う。
会場:東京都現代美術館
会期:12月25日〜2026年3月29日
スウェーデンを代表する陶芸家リサ・ラーソン。動物をモチーフにした愛らしい陶器や、スケッチから生まれた絵本のキャラクター「マイキー」で、日本でも幅広い世代に親しまれてきた。本展では2024年に92歳で逝去したラーソンの創作の世界を、「見る・知る・作る」の体験型展示で紹介する。スケッチや作品、スウェーデンで使用していた道具類を展示し、制作に関わる職人たちの仕事を映像で紹介。子供から大人まで創作の楽しさに触れられる機会となる。詳細はニュースをチェック。
会場:PLAY! MUSEUM
会期:12月27日〜2026年2月23日
1990年代から国内外で発表を続けてきた杉戸洋。小さな家や船、果物、木々や雨粒といった身近なモチーフを、線や幾何学的図形とともにリズミカルに構成し、みずみずしい色彩で描いてきた。本展で着目するのは「余白」。それは絵画の裏側でキャンバスを囲む「えり」や「へり」として貼られた紙や木片、本の表紙をめくると現れる「あそび紙」、洋服の「裏地」など、すぐには気がつかない場所にあるもの。注目はグラフィックデザイナー・服部一成とのコラボレーション。杉戸の作品に触発されて服部がデザインした壁紙と、それにさらに影響を受けた杉戸の絵画が展示される。詳細はニュースをチェック。
会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:12⽉5⽇〜2026年5⽉17⽇
北海道中南部・白老の内陸に位置する飛生の旧小学校を改造した「飛生アートコミュニティー」を拠点に活動する彫刻家、国松希根太の美術館初個展。国松は長い年月をかけて独自のフォルムを形成した木々と出会い、作品を制作してきた。近年は地平線や水平線、山脈、洞窟など風景のなかに存在する輪郭を題材に、彫刻や絵画、インスタレーションを発表している。本展では代表作に加え、奥入瀬のブナを用いた滞在制作など十和田の自然との出会いから生まれた新作を披露する。ニュースはこちら。
会場:十和田市現代美術館
会期:12月13日〜2026年5月10日
ミューぽんで100円OFF!
本展は日韓国交正常化から60年を迎える節目に、韓国の国立現代美術館との共同企画として開催される。地理的にも文化的にも近しい隣国でありながら、歴史的・政治的な複雑さも抱える両国の関係を、アートを通じて見つめ直す試みである。横浜美術館がリニューアルオープンで掲げる「多文化共生、多様性尊重」の理念を体現する展覧会となる。詳細はニュースをチェック。
会場:横浜美術館
会期:12月6日~2026年3月22日
春に象徴される「生命の再生」を軸に、自然や土地の記憶、内なる力をどう感じ直すかを問いかける展覧会。同館として初めて「箱根」という土地に焦点を当て、箱根町立郷土資料館所蔵の浮世絵や重要文化財を起点に、江戸から現代までの表現を横断的に紹介する。大巻伸嗣、杉本博司、小川待子らの新作に加え、モネ、ゴッホ、ルソーら西洋近代絵画コレクションも出品。約120点の作品が感性の奥に眠る"鼓動"を呼び起こす。ニュースはこちら。
会場:ポーラ美術館
会期:12月13日~2026年5月31日
東京国立博物館をはじめとする東京所在の美術館・博物館の所蔵作品を一堂に公開する。2024年の地震と豪雨で被災した能登半島の人々に寄り添い、心を癒し励ますことを目的に、参加各館が復興への想いを込めて作品を選出。同館を含め、石川県立美術館(11月15日〜12月21日)、国立工芸館(12月9日〜2026年3月1日)の3館で開催される。
会場:金沢21世紀美術館
会期:12月13日~2026年3月1日
アーティストは美術を通じて、日常が抱える諸問題や世界の根源的真理への気づきをもたらす存在であると言える。本展では、グローバル化の進展により日本人作家の海外発表機会が拡大した1990年代以降の現代美術を中心に、同館のコレクションから導き出される複数のテーマに基づき、国内作家の実践を紹介する。詳細はニュースをチェック。
会場:京都国立近代美術館
会期:12月20日~2025年3月8日
アンドレ・ブルトンが定義づけ、近現代の美術に大きな影響を及ぼしたシュルレアリスムは、広告やファッション、インテリアなどをはじめとする生活空間にも広がりをもたらしていた。本展では、日本国内に所蔵されているシュルレアリスムの思想に影響を受けた名品が集結。圧倒的存在感をもって視覚芸術、ひいては社会全体へと拡大した思想運動を表現の媒体というキーワードのもと解体し、シュルレアリスム像の再構築を目指す。
会場:大阪中之島美術館
会期:12月13日〜2026年3月8日
カナダを拠点に活動するジャネット・カーディフによるサウンドインスタレーション《40声のモテット》を紹介する展覧会。本作は16世紀の作曲家トマス・タリスの楽曲をもとに、楕円形に配置された40台のスピーカーから聖歌隊の歌声が個別に再生されるもので、2001年の初公開以来、世界約60ヶ所で展示されてきた代表作である。原美術館ARC、金沢21世紀美術館、長崎県美術館と巡回してきた本作を国内で鑑賞できる最後の機会となる。同時開催の「猪熊弦一郎展 夢をならべている」にも注目してほしい。
会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:12月13日〜2026年2月15日
印象派、なかでもクロード・モネが描く雪景色には水色や紫、ピンクなど多彩な色が使われているが、全体として「白い雪」という印象は損なわれない。有彩色や黒に比べて見過ごされがちな白だが、じつはモティーフとしても絵具としても、絵画に欠かせない重要な要素である。古今東西の芸術家たちは、当時使用できる画材と技法を駆使しながら、それぞれの感性で白を表現してきた。本展では、絵画における「白」の役割を様々な角度から紹介する。
会場:ひろしま美術館
会期:12月13日〜2026年3月22日
日本最南端であり、アジアへの玄関口でもある八重山の島々で、新たな芸術祭が開催される。本祭は八重山諸島の9つの有人島を舞台に、土地に根付いた歴史や文化、暮らしを芸術祭を通じて「ほり・おこす」ことを目的に、地域の文化的な豊かさを未来へと紡ぐことを目指す。たんなる作品の展覧会ではなく、島民とアーティストの出会いや協働、長期の滞在制作といった「プロセス」に重きを置く。ニュースはこちら。
会場:浦内公民館ほか
会期:12月5日~12月14日