12月29日〜2026年1月4日のあいだに都内で行くことのできる美術館・ギャラリーを、ピックアップして紹介します。なかには大晦日や元日に開館している美術館も。年末年始のお休みに、足を運んでみては?
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*年末年始のみ開館時間を短縮する美術館があります。来場前には各施設のウェブサイトを確認してください。
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「六本木クロッシング」は、森美術館が3年に1度、日本の現代アートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として開催しているシリーズ展。8回目となる今回は、「時間」をテーマに据え、国籍を問わず日本で活動する、もしくは日本にルーツがあり海外で活動するアーティスト21組による作品が紹介されている。A.A.Murakami の没入型インスタレーションや、桑田卓郎の大型陶芸作品、細井美裕の新作サウンド・ピース、沖潤子の刺繍作品をはじめ、絵画、彫刻、映像、工芸、ZINE、コミュニティプロジェクトなど多様な表現が一堂に会する。レポート記事はこちら。
会場:森美術館
会期:12月3日〜2026年3月29日
年末年始無休
ミューぽんで200円OFF!(1名まで割引)
2021年からアメリカ・ボカラトン美術館での開催を皮切りに、世界各地で高い評価を得ている巡回展がアジアで初開催。マチュピチュ関連の展覧会が日本で行われるのは13年ぶり。ペルーの首都・リマにあり、世界的にも知られる考古学博物館「ラルコ博物館」より貸与された、国外初公開を含む貴重な文化財約130点を展示。王族の墓から出土した黄金の装飾品や、神殿儀式で用いられた祭具など、古代アンデス文明の藝術や叡智を間近に感じることのできる展覧会となる。レポート記事はこちら。
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:11月22日〜2026年3月1日
年末年始無休
1995年10月4日にテレビアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の放送が開始されてから、2025年で30周年を迎える「エヴァンゲリオン」シリーズ。本展では、これまでまとまって展示される機会の少なかったテレビアニメのセル画や、緻密に描かれた原画や設定など、作品の根幹にかかわる制作資料を展示するほか、「新劇場版」シリーズで採り入れられたデジタル制作資料も初公開されている。「エヴァンゲリオン」シリーズの魅力と、その創作過程を間近で体感できる機会となる。レポートはこちら。
会場:六本木ヒルズ 東京シティビュー
会期:11月14日〜2026年1月12日
年末年始無休
お笑いのみならず、音楽、ファッション、俳優業など、これまで様々なジャンルで活動してきた浜田雅功のアートを紹介する展覧会。展示作品は全点、浜田が本展のために描きおろした新作原画で構成される。会場構成は大阪を拠点に活動する建築家ユニット・dot architectsが担当。会場では、映像作家・Shuma Janによる、本展の背景にある思想や舞台裏に焦点を当てた映像作品も上映されている。
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
会期:10月19日〜2026年1月3日
年末年始無休
代名詞的な作品であるシルクスクリーンなどの創作だけでなく、映画監督や音楽プロデューサーなど様々な顔を持ち、幅広く活動したアンディ・ウォーホル。生涯にわたって取り組んだシルクスクリーンの自画像をはじめ、自身のイメージを自在に操ることを楽しんでいた。本展では、そんなウォーホルの作品群を「ポートレイト」をテーマに紹介。展示作品の大半はウォーホル自身をとらえた作品群で構成されている。レポートはこちら。
会場:エスパス ルイ・ヴィトン東京
会期:10月2日~2026年2月15日
年末年始の休館日:1月1日
1983年に大阪で創業し、『ストリートファイター』シリーズや『バイオハザード』シリーズ、『モンスターハンター』シリーズなど数多くの人気タイトルを通して、世界を代表するゲームソフトメーカーとなったカプコン。本展は同社の開発者たちの手描きによる企画書や原画、ポスターやパッケージなどのグラフィックワーク、体験型コンテンツ、最新技術など、ゲーム誕生の壮大なプロセスとそこに関わるクリエイターたちの想像力と実現力に迫るもの。大阪、名古屋、鳥取会場での巡回を経て東京での開催となり、東京会場では新たに手描きの企画書やラフスケッチも公開される。
会場:CREATIVE MUSEUM TOKYO
会期:12月20日〜2026年2月22日
年末年始の休館日:1月1日
同館恒例の正月企画である「博物館に初もうで」。新年の訪れを祝して、干支をテーマにした特集展示や、長谷川等伯筆の国宝《松林図屛風》(1月1日~1月12日に本館2室にて展示)をはじめ、本館、東洋館の各展示室で、吉祥作品や名品の数々を見ることができる。さらに同館アンバサダーを務める日本画家・千住博が寄贈した新作《ウォーターフォール》を1月1日〜1月12日の期間、本館大階段上で特別展示。1月1日〜3日には、本館前ステージで和太鼓、獅子舞、吟剣詩舞といった新春限定の企画も行われる。
会場:東京国立博物館
会期:2026年1月1日〜1月25日
2025年は、パリで開催された装飾芸術の博覧会、通称「アール・デコ博」から100年目という節目の年。本展では、20世紀初頭にパリを中心に広がったファッションスタイル(パリ・モード)を、同時代の装飾様式であるアール・デコとの関係から紹介する。京都服飾文化研究財団(KCI)が収集してきた選りすぐりの服飾作品約60点に、国内外の美術館所蔵の絵画、版画、工芸品などを加え、現代にも影響を与え続ける100年前の「モード」をひもとく。レポートはこちら。小企画展として、「フェリックス・ヴァロットン―親密な室内」が同時開催されている。
会場:三菱一号館美術館
会期:10月11日〜2026年1月25日
年末年始の休館日:12月31日、1月1日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)
コンセプチュアル・アートを牽引した、20世紀後半を代表するアメリカのアーティスト、ソル・ルウィット。その芸術の根幹をなすのは、作品そのものではなく、作品を支えるアイデアや構造であり、それらを形態へと移し替えるための仕組みやプロセスを重視する試みによって、芸術のあり方を大きく転換した。本展は日本の公立美術館における初の個展となり、ウォール・ドローイング、立体・平面作品、アーティスト・ブックなど広範な仕事を通じて、既存の枠組みに再考を促してきたルウィットの思考の軌跡をたどる。ニュースはこちら。
会場:東京都現代美術館
会期:12月25日~2026年4月2日
年末年始の休館日:12月28日~1月1日
ミューぽんで10%OFF!(2名まで割引)
東京都とトーキョーアーツアンドスペース(TOKAS)が2018年より実施している中堅アーティスト対象の現代美術賞「Tokyo Contemporary Art Award(TCAA)」。受賞者は海外活動をはじめとする複数年にわたる支援を経て、東京都現代美術館で受賞記念展を開催している。本展は第5回受賞者の梅田哲也と呉夏枝による展覧会となる。近年ともに「海路」や「水路」など水にまつわる考察を作品に取り入れてきた両者の表現がゆるやかに重なり合う空間となる。
会場:東京都現代美術館
会期:12月25日〜2026年3月29日
年末年始の休館日:12月28日~1月1日
2025年に総合開館30周年を迎えた東京都写真美術館。本展は、石内都、志賀理江子、金村修、藤岡亜弥、川田喜久治の5名の写真家によるグループ展だ。同館の収蔵作品を中心に、新作や近作も加えた100点以上の作品を通して、国際的に活躍する写真家たちの現在進行形の創作活動に触れることで、作品理解を深めるとともに、これからの表現の可能性を探る。レポートはこちら。
会場:東京都写真美術館
会期:10月15日〜2026年1月25日
年末年始の休館日:12月29日~1月1日
「印象派の殿堂」として知られるパリ・オルセー美術館から10年ぶりにコレクションが大規模来日する展覧会。同館所蔵の傑作68点を中心に、国内の重要作品も加えた約100点により、室内をめぐる印象派の画家たちの関心のありかや表現上の挑戦をたどる。オルセー美術館の印象派コレクションがこの規模で来日するのは約10年ぶり。エドガー・ドカの代表作《家族の肖像(ベレッリ家)》は日本初展示となる。レポートはこちら。
会場:国立西洋美術館
会期:10月25日〜2026年2月15日
年末年始の休館日:12月28日〜1月1日
太古の昔から姿をほとんど変えず、水辺に暮らしてきたワニ。爬虫類の中でもひときわ強い存在感を放つワニにフォーカスした本展では、世界のワニの多様な姿や生態を、剥製や骨格標本、映像などを通して紹介。さらに古文書に残る記録から人とワニとの関わりの歴史をひもとく。長きにわたって人類とともに生きてきたワニの姿から、私たちと野生動物とのこれからの関係を見つめる。
会場:国立科学博物館
会期:11月26日~2026年3月1日
年末年始の休館日:12月28日〜1月1日
目をいからせ、武装する仏像は何と戦い、何を護っているのか。本展では《浄瑠璃寺旧蔵十二神将立像》をはじめ、彫刻や絵画に見られる「たたかう仏像」の多様な姿を展示する。あわせて神将像の鎧のルーツである中国・唐時代の神将俑を丸の内で初公開する。
会場:静嘉堂文庫美術館
会期:2026年1月2日〜3月22日
1950年から60年代の日本の女性の美術家による創作を「アンチ・アクション」というキーワードから再評価する展覧会。『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』の著者・中嶋泉の全面的な協力により、ジェンダー研究の観点から日本の戦後美術史に新たな光を当てる。会場では、草間彌生、田中敦子、福島秀子をはじめとする14名の作家による約120点の作品が紹介される。同点を企画した3館のキュレーターへのインタビューはこちら。
会場:東京国立近代美術館
会期:12月16日〜2026年2月8日
年末年始の休館日:12月28日~1月1日
中世に大寺院として栄華を極めた根來寺で作られた質の高い朱漆器は、「根来塗」と呼ばれ、特別視されてきた。江戸時代以降は「根来」と呼ばれるようになり、寺院や神社などの信仰の場に加え、民衆の生活のなかでも大切にされた。その独特の姿は現在まで多くの人々の心を惹きつけている。本展では、根來寺が繁栄を極めた中世の漆工品を中心に、その前後の年紀を有する品や伝来の確かな名品・名宝を一堂に展示する。
会場:サントリー美術館
会期:11月22日〜2026年1月12日
年末年始の休館日:12月30日~1月1日
日本近代洋画の改革期に活動した画家・小林徳三郎(1884〜1949)。若者による先駆的な絵画表現で注目を浴びたフュウザン会に参加し、画業半ば頃からは春陽会を中心に作品の発表を続けた。鰯や鯵といった魚を数多く描いて評価を獲得し、やがて自分の子供たちをモデルに何気ない日常を表現した作品が増え、海や風景をなどの題材にも取り組んだ。初の大回顧展となる本展では、約300点の作品と資料を通して、その画業の展開をたどる。
会場:東京ステーションギャラリー
会期:11月22日〜2026年1月18日
年末年始の休館日:12月29日〜1月2日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)
自然素材を巡る職人技術や手わざの再考、継承、拡張を試みるプログラム「スキル・アカデミー」の一環で発表された書籍『Savoir & Faire 金属』の刊行を記念する展覧会。青銅器時代から現代まで、人類の文明とともに歩んできた「金属」をテーマに、金属が歴史のなかで作り上げてきた属性に多角的にアプローチするグループ展となる。出展作家は、メタル音楽を記号論的に解釈するエロディ・ルスール、日本古来の朱と水銀を媒介に内的宇宙と外的象徴を創造する映画監督の遠藤麻衣子、鉄球としての地球に人間活動を重ね合わせ、廃材を用いた作品を作る榎忠の3作家。
会期:銀座メゾンエルメス
会場:10月30日〜2026年1月31日
年末年始の休館日:12月30日~1月2日
スウェーデンを代表する陶芸家であるリサ・ラーソン(1931〜2024)。動物を表した愛らしい陶器などで知られ、日本では絵本のキャラクター「マイキー」や、自身のライフスタイルにも注目が集まり、幅広い世代に支持されている。本展は、ラーソンが制作した原型作品をもとに、工房で職人が作るライオンや猫など、お馴染みの作品の制作プロセスを「見て・知り」、ワークショップに参加して自分も「作る」、体験型の企画。作家のものづくりの現場を通して、子供から大人までが創作の楽しさに触れることのできる機会となる。
会場:PLAY! MUSEUM
会期:12月27日〜2026年2月23日
年末年始の休館日:12月31日〜1月2日
アーティゾン美術館の開館以降毎年開催している、石橋財団コレクションと現代アーティストとの共演、「ジャム・セッション」展。第6回となる本展は、沖縄と東北という異なる土地に根ざし、歴史や記憶に向き合ってきた山城知佳子と志賀理江子を迎える。社会構造の変化や災害を背景に、地域や文化のあいだに潜む断絶や、かつて共有されていた記憶の風化が顕在化している現代の状況を踏まえ、「中心と周縁」「土地と記憶」というテーマをあらためて見つめ直す展覧会となる。両作家の新作とコレクション作品との出会いを通じて、複雑で困難な現実に対するまなざしと、芸術の力を再考する場を創出する。レポートはこちら。
会場:アーティゾン美術館
会期:10月11日〜2026年1月12日
年末年始の休館日:12月28日〜1月3日
ストリートやコミュニティへの視点に根差した作品の発表を続けるバリー・マッギーと、ヒップホップカルチャーと現代アートとの出会いを原点に多彩な活動を行う兄弟アーティストデュオ、オスジェメオス。国際的に活躍する2組による、世界初のコラボレーション展となる本展では、展示室に描かれた巨大壁画や、オスジェメオスによるアニメーションルームをはじめ、街のエネルギーから生まれた彼らの作品が多数展示されている。レポートはこちら。
会場:ワタリウム美術館
会期:10月17日〜2026年2月8日
年末年始の休館日:12月31日〜1月3日
ミューぽんで300円OFF!(1名まで割引)
ブルーノ・ムナーリ、マックス・ビル、アキッレ・カスティリオーニ、オトル・アイヒャー、エンツォ・マーリ、ディーター・ラムスという6人の巨匠を、各時代の先を探り、社会に新たな局面をもたらしたデザイナーたちをデザインの「先生」として位置付け、その革新的なプロダクトと背景に込められた想いを探る展覧会。彼らの活動を振り返るほか、日本におけるデザイン学の礎を築いた向井周太郎の視点も紹介する。レポートはこちら。
会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:11月21日〜2026年3月8日
年末年始の休館日:12月27日〜1月3日
2025年に創設30周年を迎えたファッション・テキスタイルブランド、ミナ ペルホネンの新たな展覧会。皆川明が創設した同ブランドは、これまで1000を超えるテキスタイルデザインを制作し、服だけでなくインテリアや様々なプロダクトへと展開してきた。本展では、暮らしの中に長く息づき、時とともに深みを増すデザインを積み重ねてきたミナ ペルホネンのものづくりのあり方を、「つぐ」をキーワードに紹介する。レポートはこちら。
会場:世田谷美術館
会期:11月22日〜2026年2月1日
年末年始の休館日:12月29日〜1月3日
東洋と西洋の文化的風土の違いを強く意識しながら、日本人としていかに油絵を描くべきかを追究した画家・小出楢重。大阪中心部の商家に生まれ、洋行後は衣食住を洋風に改め、大正から昭和初期のモダンな都市文化を体現した。日本女性の体型や肌質をとらえた裸婦、野菜を妖しく描く静物など、西洋美術由来のテーマを日本の感覚で生まれ変わらせた作品を発表した。作家の全貌に迫る本展は、代表作が一堂に会する25年ぶりの回顧展となる。
会場:府中市美術館
会期:12月20日〜2026年3月1日
年末年始の休館日:12月29日~1月3日
ミューぽんで20%OFF!(2名まで割引)
日本文学者・ドナルド・キーン(1922~2019)は、10代でアーサー・ウエーリ訳『源氏物語』と日本思想史を教える角田柳作と運命的に出会って日本や日本文化への深い関心を抱き、長きにわたる研究生活を始めた。2011年の東日本大震災後には日本への帰化を表明し、その生涯は日本文化・日本文学とともにあった。本展では、開館30周年を迎える同館において、キーンの偉業とともに、あらためて日本文学の魅力を伝える機会となる。
会場:世田谷文学館
会期:11月15日〜2026年3月8日
年末年始の休館日:12月29日~1月3日