公開日:2022年10月29日

11月スタートの全国おすすめ展覧会!:大竹伸朗、マリー・クワントの個展、毒、スカジャンに注目した企画など

全国で11月にスタートする15のおすすめ展覧会を紹介

大竹伸朗 スクラップブック 見開選 100(税込19800円) ©︎ Shinro Ohtake / ©︎ NTV

11月に全国で開幕する主要な展覧会をピックアップ! 気になる展覧会はTokyo Art Beatのアプリで見逃し防止のブックマークがおすすめ。開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

大竹伸朗展(東京国立近代美術館)

今年開館70周年を迎える東京国立近代美術館では、大竹伸朗の大回顧展が開催。絵画や版画、彫刻、映像、絵本、エッセイまでおよそ500点が、7つのテーマ構成のもと公開される。近年は、ドクメンタ(2012)やヴェネチア・ビエンナーレ(2013)の参加など国外でも広く活動してきた大竹の、制作の軌跡をたどる。
展示はもちろん、Tシャツや靴下、スクラップブック、時計まで豊富なオリジナルグッズにも注目したい。詳細はニュースから。

会場:東京国立近代美術館
会期:11月1日~2023年2月5日
展覧会詳細

大竹伸朗 スクラップブック 見開選 100(税込19800円) ©︎ Shinro Ohtake / ©︎ NTV

アートウィーク東京

アートウィーク東京は現代アートを扱う都内のギャラリーや美術館など、51のアートスペースが参加するイベント。参加スペースが開催する展覧会を、6つのルートで巡回するバスの運行や、ドクメンタ14の芸術監督アダム・シムジックによるビデオプログラム、アーティストやキュレーターによるオンライントークなどが楽しめる。詳細はニュースをチェックしてほしい。

会場:東京都内各所
会期:11月3日~6日
展覧会詳細

アートウィーク東京のポスター

Art Collaboration Kyoto 2022(国立京都国際会館、京都府)

昨年初の開催を迎えたアートフェア、Art Collaboration Kyoto。今年は11月18日〜20日の3日間、国内外から64のギャラリーが集結する。メイン会場の国立京都国際会館イベントホールでは、日本と海外のギャラリーがタッグを組む「Gallery Collaborations」と京都ゆかりのアーティストによる展示「Kyoto Meetings」が企画されるいっぽう、国立京都国際会館と本願寺伝道院では「時間の花」というテーマのもと、多様な作品が出展される「ACK Curates」が予定されている。

会場:国立京都国際会館
会期:11月18日~20日
展覧会詳細

Art Collaboration Kyoto 2022ポスター

特別展「毒」(国立科学博物館、東京都)

国立科学博物館では、「毒」に注目した展覧会が開催。生物に何かしらの害を与える物質として働く毒。本展は、動物学、植物学、地学、人類学、理工学の専門家のもと、動物、植物、菌類、そして鉱物や人工毒など、自然界のあらゆるところに存在する毒について紹介する、同館初の試みだ。展覧会の詳細はニュースをチェックしてほしい。

会場:国立科学博物館
会期:11月1日~2023年2月19日
展覧会詳細

国立科学博物館での特別展「毒」会場イメージ

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台(東京都現代美術館)

東京都現代美術館では、オランダを代表する現代美術家、ウェンデリン・ファン・オルデンボルフの個展が開催。ファン・オルデンボルフは、シナリオを設定せず、あるテーマに沿って展開される対話によって、視座や関係性を捉える映像作品やインスタレーションを長く制作してきた。本展では、17世紀のオランダ領ブラジルの総督を題材とした《マウリッツ・スクリプト》(2006)といった初期作から、本展を機に国内で制作された女性の文筆家のテキストに注目する新作まで公開が予定されている。

会場:東京都現代美術館
会期:11月12日~2023年2月19日
展覧会詳細

ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ マウリッツ・スクリプト 2006 映像スチル

パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂(アーティゾン美術館、東京都)

アーティゾン美術館ではパリ・オペラ座に焦点を当てた展覧会が開催。ルイ14世によって1669年に設立されたパリ・オペラ座は、台本作家や作曲家、美術家による、新たな表現をつねに注文し、それによって支えられてきた。本展は、同館の歴史をたどりつつ、「総合芸術」的に魅力を紐解くことを試みる企画だ。特に、19世紀から20世紀初頭、ロマンティック・バレエ、グランド・オペラ、バレエ・リュスの時代は充実しているため、オペラやバレエに関心がある人はぜひ見ておきたい。

会場:アーティゾン美術館
会期:11月5日~2023年2月5日
展覧会詳細

アーティゾン美術館での「パリ・オペラ座―響き合う芸術の殿堂」展ポスター

加藤泉―寄生するプラモデル(ワタリウム美術館、東京都)

不思議な人型の木彫やペインティングで知られる加藤泉。その個展がワタリウム美術館で開催される。展覧会のメインとなるのは、なんとプラモデルの彫刻。加藤がコロナ禍の空いた時間に動物や昆虫のプラモデルを作っているなかで「作品に使える」と感じたことがきっかけだという。本展では、プラモデルを用いた近年の作品が展示される。新たな素材に挑戦してきた加藤の足跡を辿ることもできるはずだ。展示の見どころはニュースからチェック。

会場:ワタリウム美術館
会期:11月6日~2023年3月12日
展覧会詳細

加藤泉 無題 2020 ソフトビニール、プラモデル、⽊、ステンレススチール Photo by Kei Okano

マリー・クワント展(Bunkamura ザ・ミュージアム、東京都)

1950年代ロンドンのファッションシーンに彗星のごとく登場し、ミニスカートを広めるなど、60年代のストリートカルチャーを牽引したファッションデザイナー、マリー・クワント。本展はヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)より来日する約100点の衣服を中心に、小物や写真、映像等を展示し、マリー・クワントのデザイナー、起業家としての歩みをたどるイギリスからの巡回展だ。本国では約40万人が訪れたという同展。マリー・クワントのコスメが日本に上陸する以前のファッションアイテムも多数公開されるため、ファッションの歴史を知りたい人はぜひ訪れたい。

会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
会期:11月26日~2023年1月29日
展覧会詳細

開館15周年 PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展(横須賀美術館、神奈川県)

開館15周年を迎えた横須賀美術館では、ご当地アイテムとして広く知られている「スカジャン」こと横須賀ジャンパーの魅力を紹介する展覧会が開催。戦後、日本滞在した米兵のお土産として「スーベニアジャケット」という名前で誕生したスカジャンは、日本人のアメリカンカジュアルへの憧れや、ヴィンテージブームにより日本での人気が高まることに。現在も、国内外から人気を誇っている。

展示されるのは、テーラー東洋(東洋エンタープライズ株式会社)の貴重なヴィンテージ・コレクションや、販売されていた当時の写真や資料。スカジャン自体はもちろん、展示を通じて全国の米軍基地周辺で展開した基地文化も知ることができるはずだ。

会場:横須賀美術館
会期:11月19日~2022年12月25日
展覧会詳細

横須賀美術館での「開館15周年 PRIDE OF YOKOSUKA スカジャン展」ポスター

中﨑透 フィクション・トラベラー(水戸芸術館現代美術ギャラリー、茨城県)

水戸芸術館現代美術ギャラリーでは、地元出身・在住の現代美術家である中﨑透の個展が開催。初期の代表作である看板をモチーフとした作品を筆頭に、カラーアクリルと蛍光灯を用いる立体作品、リサーチとインタビューから言葉を抽出してストーリーを仕立て上げるインスタレーションなどが展示される。生い立ちから現代美術との出会い、そして美術家として活動する現在まで、出身地ならではの自叙伝的な企画に注目したい。

会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー
会期:11月5日~2023年1月29日
展覧会詳細

中崎透 看板屋なかざき 2014 撮影:小山田邦哉 (参考図版)

戸谷成雄 彫刻(長野県立美術館)

長野県立美術館でも、地元出身の彫刻家・戸谷成雄の個展が開催される。日本を代表する現代彫刻家として知られる戸谷。国内外の戦後美術において制度として解体された彫刻と向き合い、「表面」「構造」といった独自の彫刻概念をもとにその本質から再構築しようと試みてきた。本展では、初期から近年の作品まで代表作を含め約30点を、制作年に縛られることなく、コンセプトに沿って展示される。展覧会と合わせて、戸谷へのインタビューもぜひチェックしてほしい。

会場:長野県立美術館
会期:11月4日~2023年1月29日
展覧会詳細

戸谷成雄 森IX 撮影:山本糾

みる誕生 鴻池朋子(静岡県立美術館)

高松市立美術館で開催されていた「見る誕生 鴻池朋子展」が静岡県立美術館へと「リレー」される。2020年にアーティゾン美術館で開催された個展「ちゅうがえり」が示すように、従来の美術館のシステムを解放する取り組みを展開してきた鴻池朋子。高松市立美術館での展示では、動物の糞や動物の皮といった美術館では見ることのないものや、手芸など美術として扱われないことも多い作品が展示された。ただ展示が巡回するのではなく、「リレー」し変化することを試みている本展。作品はもちろん、展示空間の構成やその変化にも大いに注目したい企画だ。

会場:静岡県立美術館
会期:11月3日~2023年1月9日
展覧会詳細

「見る誕生 鴻池朋子展」開催時の高松市立美術館エントランスホール

合田佐和子展「帰る途(みち)もつもりもない」(高知県立美術館)

1965年にデビューして以来、オブジェや絵画、写真などのメディアを横断しながら制作しつつ、唐十郎や寺山修司による演劇の舞台美術やポスター原画なども手がけた高知県出身の美術家、合田佐和子。作家の没後初にして、過去最大規模の回顧展となる本展は、初期のオブジェから初公開となる晩年の鉛筆画シリーズまで、300点を超える作品や資料を体系的に検証する企画だ。展覧会タイトルの「もう帰る途(みち)もつもりもなかった」とは、合田が晩年の手稿に残した言葉。立ち止まることなく作風を変化させ、激しくも華やかに駆け抜けた作家の生涯を、展覧会を通じて知るまたとない機会だ。

会場:高知県立美術館
会期:11月3日~2023年1月15日
展覧会詳細

高知県立美術館での合田佐和子展「帰る途(みち)もつもりもない」ポスター

藤野一友と岡上淑子(福岡市美術館)

福岡市美術館は、藤野一友、岡上淑子という美術家夫婦の二人展を企画する。二科会を中心に活動し、細密な描写による幻想絵画で知られる藤野に対して、進駐軍が残した洋雑誌の写真をもとにしたコラージュ作品が印象的な岡上。時代順にふたつの個展形式で展示・構成される本展を通じて、シュルレアリスムからの影響や女性の身体をモチーフとするスタイルの共通点や、男性優位のまなざしや女性が抱いた夢や苦悩など、同時代についても見えてくるものがあるはずだ。

会場:福岡市美術館
会期:11月1日~2023年1月9日
展覧会詳細

福岡市美術館で開催される「藤野一友と岡上淑子」展ポスター

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