公開日:2022年12月29日

【2022年記事トップ10】Tokyo Art Beatで今年もっとも読まれた記事で1年をプレイバック!

Tokyo Art Beatで2022年に公開した500本以上の記事のなかから、もっともアクセスが多かった10本を紹介。記事を通してこの1年を振り返ります。

2022年、Tokyo Art Beatではアート、カルチャーに関するたくさんの記事を公開してきました。読んでくださった皆さん、どうもありがとうございます。
ここでは今年もっともアクセスが多かった10本を紹介し、この1年を振り返ります。
残りの2022年、そして来年も、Tokyo Art Beatをよろしくお願いします!


吉原治良の展示、左より《作品(White Circle on Red)》(1963)、《作品》(1965)、《作品》(1965)

大阪中之島美術館がついに開館! 超重要作品が一堂に会する「Hello! Super Collection 超コレクション展 - 99のものがたり - 」レポート

大阪市北区の中之島エリアに、2月2日にオープンした大阪中之島美術館のオープン記念展レポートが今年もっとも読まれた記事になりました! 美術館の建設構想から約40年もの準備期間を経て、ついにお披露目された珠玉のコレクション約400点。そして特徴的な建築も注目されました。現在は隣接する国立国際美術館とともに「すべて未知の世界へ ー GUTAI 分化と統合」を開催中(〜2023年1⽉9⽇)。⼤阪に誕生した新たなアートの拠点として、今後も期待が高まります。

新海誠監督『すずめの戸締まり』レビュー:「平成流」を戯画化する、あるいは〈怪異〉と犠牲のナショナリズム(評:茂木謙之介)

© 2022「すずめの戸締まり」製作委員会

『君の名は。』『天気の子』に続く、新海誠監督の映画『すずめの戸締まり』。天皇制と表象について研究する東北大学大学院文学研究科准教授の茂木謙之介さんによる本作レビューは大きな反響を生みました。震災を直接的に扱いながらエンタメ大作として大ヒット中の本作について、天皇、スピリチュアリティ、死者、怪異、家族、感情労働、記憶といった観点から鋭く論じられたレビューです。

ブライアン・イーノの待望の大規模個展「BRIAN ENO AMBIENT KYOTO」を最速フォトレポート

ブライアン・イーノ Light Boxes Photo by Juliana Consigli

アンビエント・ミュージックの創始者として知られるブライアン・イーノの個展が、京都中央信用金庫 旧厚生センターで6月3日から9月3日まで開催されました。アートファン、音楽ファンにとって見逃せない展覧会として大きな話題を集めました。残念ながら足を運べなかった……という方は会場をとらえた本レポートでぜひ追体験してください。

「芸術も国家も福祉も私自身も、根本から狂っていると思いました」佐々木健インタビュー(聞き手:福尾匠)

佐々木健(右)と福尾匠(左) 「合流点」(五味家、2022)会場にて 撮影:編集部

佐々木健さんが神奈川県鎌倉市にある民家で開催した「合流点」を機に、批評家の福尾匠さんを聞き手に迎えたインタビュー記事を公開しました。展覧会が「津久井やまゆり園」で2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件を発端としていたこともあり、取材では佐々木さんのご家族の話から、事件と匿名報道、福祉、絵画と「崇高」概念についてなど多岐に広がり、「芸術の力」について非常に考えさせられる対話が展開されました。
なお本記事は約25000字。とっつきやすいとは言いづらい、しかし重要な内容がつまった記事がしっかり読まれたということに、読者に感謝するとともに、編集者としては勇気をもらいました。

東京都⼈権部が飯山由貴のアート作品を検閲か。小池百合子都知事の関東大震災朝鮮人犠牲者追悼式典への態度も影響した可能性

記者会見の様子。左から⼩⽥原のどか、FUNI、飯⼭由貴、外村⼤

関東大震災時の朝鮮人等の虐殺事件を扱う映像作品の上映会を東京都人権部が見送ったことに対して、アーティストの飯⼭由貴さんらが検閲だとして訴えた記者会見が10⽉28⽇に開かれました。上映会は、東京都人権プラザで開催された飯山由貴「あなたの本当の家を探しにいく」展の付帯事業として計画されたもの。本件についてはその後も都議会議員向け上映会が開催されるなど、問題意識を共有する活動が行なわれており、2023年以降も注視したいと思います。

国宝89件! トーハク150年記念の特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」の全貌とは? 国宝刀剣19件も

10月18日〜12月18日に開催された特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」の全貌を発表する記者会見の様子を速報したレポート。東京国立博物館がメモリアルイヤーに国宝を一挙公開するとあって、発表とともに大きな反響がありました。SNSを中心に審神者の皆さんが盛り上がっていたことも印象深いです。好評を博した本展のレポートはこちら

「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が森美術館でついに開幕! 独自の方法で社会に介入してきた17年の軌跡とは

「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」会場にて、Chim↑Pomメンバー(左より、林靖高、水野俊紀、岡田将孝、稲岡求、エリイ、卯城竜太) 撮影:西田香織

森美術館で2月18日〜5月29日に開催された「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」のレポート。森美術館館長や担当キュレーター、アーティストのコメントを盛り込みながら、見どころ満載の大規模個展の様子を速報しました。会見では「相当にチャレンジングな展示になったと思う」とメンバーの卯城さんが語っていましたが、サテライト会場の取り組みや、美術館内の「道」を舞台にした様々なプログラムの開催、グループ名がChim↑Pom from Smappa! Groupに改名されるなど、日を重ねるごとに変化・成長し続けた本展は会期末まで話題をさらいました。

リヒターははたして「画家」なのか? キュレーターふたりに聞く「ゲルハルト・リヒター展」。桝田倫広×鈴木俊晴【前編】

左から、桝田倫広(東京国立近代美術館主任研究員)、鈴木俊晴(豊田市美術館学芸員)

6月7日〜10月2日に東京国立近代美術館で、10月15日〜2023年1月29日に豊田市美術館で開催されている「ゲルハルト・リヒター展」は、現代を代表する著名作家の大規模個展とあって大きな注目を集めました。両館の担当学芸員に、リヒターの芸術についてたっぷり解説してもらった対談がランクイン。前編は「イメージ」の問題や、ホロコーストという主題に作家がいかにして向き合ってきたかを探る内容です。後編はこちら

ケーキを投げつけられた《モナ・リザ》。ルーヴル美術館で珍事、犯人は環境活動家か

事件直後の《モナ・リザ》(@lukeXC2002の投稿より https://twitter.com/lukeXC2002/status/1530939993803440129?s=20&t=U-zJOFPbUB8-HsrKvhh-eQ)

5月29日、パリのルーヴル美術館でレオナルド・ダ・ヴィンチによる《モナ・リザ》にクリーム菓子が投げつけられたという事件を伝える記事。
今年は環境保護団体による作品への攻撃が頻発し、気候危機に対して美術館・博物館はどう取り組むべきなのか、また美術館やアートにまつわる制度や資本のあり方について再考を促しました。こうした流れについては、増田麻耶さんによる論考「ゴッホにモネ、なぜ環境団体は「絵画」を標的にするのか? ウクライナ侵攻後の欧州情勢や思想的背景から探る」もあわせてご覧ください。

【静嘉堂文庫美術館】丸の内に新オープン。曜変天目も出品される「静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ 響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」レポート

国宝《曜変天目(稲葉天目)》 南宋時代 12〜13世紀

10月1日より東京・丸の内に移転・開館した、静嘉堂文庫美術館の開館記念展レポート。「静嘉堂創設130周年・新美術館開館記念展Ⅰ 響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―」は、所蔵する7件の国宝すべてを前・後期に分けて公開する豪華な展覧会。グッズの「曜変天目ぬいぐるみ」が大人気となったことも記憶に新しいですね。

11位は僅差で画家・諏訪敦さんによる「ダミアン・ハースト 桜」展レビュー、そのほか橋爪悠也さんインタビュー山崎明子さんによる「Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村」レビュー「岡山芸術交流 2022」レポート夏目深雪さんによる映画『RRR』評などにもたくさんのアクセスがありました。

2023年も様々な角度からアートのいまを伝える記事を制作していきます。ご期待ください。

福島夏子(編集部)

福島夏子(編集部)

「Tokyo Art Beat」編集長。『ROCKIN'ON JAPAN』や『美術手帖』編集部を経て、2021年10月より「Tokyo Art Beat」編集部で勤務。2024年5月より現職。