公開日:2023年12月13日

【2023-24年】冬休みに見たい展覧会13選[東日本編]

12月下旬から1月上旬にかけて、東北と関東甲信越で開催されている注目展覧会をピックアップ

左から、「テオ・ヤンセン展」(千葉県立美術館)、「奈良美智: The Beginning Place ここから」(青森県立美術館)、「松山智一展:雪月花のとき」(弘前れんが倉庫美術館)

年末年始の冬休み期間に開催されている注目展覧会をピックアップ。東北と関東甲信越の展覧会を紹介します。気になる展覧会はウェブ版でのログインTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

*会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

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テオ・ヤンセン展(千葉県立美術館)

結節点が滑らかに連動し、まるで生き物のような動きを見せるモビール作品で知られるオランダの現代アーティスト、テオ・ヤンセン。千葉県とオランダの文化交流事業として開催される本展では、プラスチック・チューブを加工した「細胞」によって構成され、風を受けて動き出す《ストランド・ビースト》などが展示される。詳細はニュースをチェック

会場:千葉県立美術館
会期:10月27日~2024年1月21日

木野枝 光の柱(市原湖畔美術館、千葉)

鉄の持つ素材本来の硬質感や重量感を追求し、彫刻作品を制作してきた青木野枝。その個展が市原湖畔美術館で開催されている。展覧会に冠された「光の柱」とは、新作のタイトルでもある。2011年から続くシリーズ「ふりそそぐもの」の一環として、地面から立ち昇り、降下する動体が本展のために制作された。ほかにも《core》など大型彫刻が数点展示される。

会場:市原湖畔美術館
会期:10月14日~2024年1月14日
ミューぽんで200円OFF!(2名まで割引)

ダン・タイムス・イン・パリ 1925 ―機械時代のアートとデザイン(ポーラ美術館、神奈川)

フランスの首都・パリは1920年代、第一次世界大戦からの復興によって急速に工業化が進み、「機械時代」(マシン・エイジ)と呼ばれる時代を迎えていた。本展は、この時代のパリを中心に、ヨーロッパやアメリカ、日本における機械と人間との関係に注目。フェルナン・レジェ、ルネ・ラリック、ラウル・デュフィ、空山基らの作品を公開する。

会場:ポーラ美術館
会期:12月16日~2024年5月19日

イメージと記号—1960年代美術の諸相(神奈川県立近代美術館 鎌倉別館)

本展は、美術の制度的な側面が問われていた1960年代に焦点を当てた展覧会。とくに、1967年に開催された第9回東京ビエンナーレは美術と社会の接点を前景化するものだった。出展作家は井上長三郎、堀内正和、杉全直、飯田善國、高松次郎、若林奮など。ビエンナーレ出品作や資料を交えつつ、ひとつの時代を検証する。

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:12月9日〜2024年2月12日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)

イン・ビトウィーン(埼玉県立近代美術館)

本展は近年埼玉近代美術館が収蔵した画家の早瀬龍江、映像作家のジョナス・メカス、画家・美術評論家の林芳史と、ゲスト・アーティストとして映像作家・潘逸舟を加えた4名の作家とその関係に焦点を当てる企画。日常と非日常、虚構と現実、過去と現在、国境、ジェンダーなど、私たちの周りにありふれている目には見えない境界のあわいに立ち、往還する作家のまなざしと手探りに注目する。

会場:埼玉県立近代美術館
会期:10月14日 ~2024年1月28日

今村源 遅れるものの行方(水戸芸術館 現代美術ギャラリー、茨城)

今村源は、関西を中心に活動する彫刻家。ボール紙、発泡スチロール、石膏、針金など、日常にありふれた軽い素材を用いて浮遊感溢れる「彫刻」を制作してきた。美術館での個展はおよそ10年ぶり。作家が関心を寄せる、菌類やキノコの世界にも焦点が当てられる。

会場:水戸芸術館 現代美術ギャラリー
会期:11月3日~2024年1月28日

New Horizon―歴史から未来へ(アーツ前橋、群馬)

アーツ前橋では、開館10周年を記念する展覧会が開催中。次の10年という新しい地平線を目指すという目標のもと、タイトルが付けられた。作品は同館の展示室に加えて、繁華街に立つ彫刻的な形状の特設会場「HOWZEビル」でも公開される。出展作家は蜷川実花、WOW、関口光太郎、木原共、レフィーク・アナドール、ジェームズ・タレル、蔡國強、オラファー・エリアソン、川内理香子、山口歴、井田幸昌、五木田智央、松山智一、ザドッグ・ベン=ディヴィッド、スプツニ子!ら。詳細はフォトレポートをチェック

会場:アーツ前橋
会期:10月14日~2024年2月12日

アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで(山梨県立美術館)

全国を巡回しているアーツ・アンド・クラフツの展覧会が、山梨県立美術館へ。「アーツ・アンド・クラフツ」とは、19世紀にイギリスで活躍したデザイナー、ウィリアム・モリスが提唱したデザイン運動のこと。日常生活と芸術を結びつけたこの運動は、現代のデザインにおいてもその思想が引き継がれている。本展では、モリスの代表作《いちご泥棒》を筆頭に、家具、金属製品、ガラス製品、宝飾品、書物など160点が公開。運動の展開と魅力に迫る。

会場:山梨県立美術館
会期:11月18日~2024年1月21日

庵野秀明展(長野県立美術館)

『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の総監督などとして知られる庵野秀明。本展はアニメーター時代に参加したキャリア初期作から、監督、プロデューサーとして活躍する最新の仕事までを網羅し、その創作活動の全貌に迫る企画。国立新美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック須川亜紀子によるレビューも合わせて読んでおきたい。

会場 : 長野県立美術館
会期 : 11月25日~2024年2月18日

奈良美智: The Beginning Place ここから(青森県立美術館)

奈良美智の個展が、世界最大の奈良コレクションを持つ青森県立美術館で開催されている。同館での個展開催は、これで2度目。およそ10年ぶりとなる本展では学生時代の作品から近作まで公開され、とくに東日本大震災以降、約12年間の活動に焦点が当てられる。展覧会の様子はフォトレポートをチェック

会場:青森県立美術館
会期:10月14日~2024年2月25日

山智一展:雪月花のとき(弘前れんが倉庫美術館、青森)

弘前れんが倉庫美術館では、現代美術家・松山智一の個展が開催中。日本とアメリカで育ち、ブルックリンを拠点とする松山にとって、日本の美術館での個展は初めてだ。伝統的な美術に関するリサーチと収集した大量のイメージ群を組み合わせて制作される松山の作品。とくに、国内初公開となる立体作品2点《Mother Other》《This is What It Feels Like ED.2》に注目したい。出展作品など、詳細はフォトレポートをチェック

会場:弘前れんが倉庫美術館
会期:10月27日~2024年3月17日

荒木悠 「LONELY PLANETS」(十和田市現代美術館、青森)

十和田市現代美術館では、映像作家・荒木悠の美術館での初個展が開催されている。荒木は日本とアメリカを行き来しながら育ち、各地の様々な言語・文化間で起こる誤訳や誤解、オリジナルと複製の関係などを、ユーモラスなドキュメンタリー、アニメーションなどの映画や映像作品で表現してきた。本展のタイトル「ロンリープラネット」は、世界的なシェアを誇る老舗旅行ガイドブックから採用されたもの。展示では、新作の映像作品4点と過去作3点の公開が予定されている。フォトレポートはこちら

会場:十和田市現代美術館
会期:12月9日~2024年3月31日

没後50年 土田文雄展(山形美術館)

山形美術館では、今年没後50年を迎える画家土田文雄の個展が開催。山形県米沢市に生まれた土田は藤島武二に師事したのち、武蔵野美術大学教授を務めつつ国展の中心画家として活躍した。土田の作品がまとまって公開されるのはおよそ半世紀ぶり。土田の作品約70点に加えて、国画会や女流画会で活躍した、妻の土田次枝の作品も展示される。

会場:山形美術館
会期:12月14日〜2024年1月28日

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。