公開日:2023年12月13日

【2023-24年】冬休みに見たい展覧会21選[東京編]

12月下旬から1月上旬にかけて、東京で開催されている注目展覧会をピックアップ

左から、「倉俣史朗のデザイン ――記憶のなかの小宇宙」(世田谷美術館)、「大巻伸嗣―真空のゆらぎ」(国立新美術館)、「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」(森美術館)、「オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期」(麻布台ヒルズギャラリー)

年末年始の冬休み期間に都内で開催されている注目展覧会をピックアップ。気になる展覧会はウェブ版でのログインTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

*会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

*東日本編はこちら

*西日本編はこちら

  1. 私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために(森美術館、東京)
  2. キース・ヘリング展 アートをストリートへ(森アーツセンターギャラリー、東京)
  3. オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期(麻布台ヒルズギャラリー、東京)
  4. 大巻伸嗣―真空のゆらぎ(国立新美術館、東京)
  5. もじ イメージ Graphic 展(21_21 DESIGN SIGHT、東京)
  6. パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ(国立西洋美術館、東京)
  7. モネ 連作の情景(上野の森美術館、東京)
  8. 上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間(東京都美術館)
  9. 豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表(東京都現代美術館)
  10. 坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京)
  11. 石川真生 ―私に何ができるかー(東京オペラシティ アートギャラリー)
  12. 梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ(ワタリウム美術館、東京)
  13. 「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容(渋谷区立松濤美術館、東京)
  14. 即興 ホンマタカシ(東京都写真美術館)
  15. 見るまえに跳べ 日本の新進作家vol.20(東京都写真美術館)
  16. マリー・ローランサン ―時代をうつす眼(アーティゾン美術館、東京)
  17. みちのく いとしい仏たち(東京ステーションギャラリー)
  18. 倉俣史朗のデザイン ――記憶のなかの小宇宙(世田谷美術館、東京)
  19. 生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ(練馬区立美術館、東京)
  20. 鹿児島睦 まいにち(PLAY! MUSEUM、東京)
  21. 白井美穂「森の空き地」(府中市美術館、東京)

私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために(森美術館、東京)

森美術館では「エコロジー」をテーマとする展覧会が開催中。地球温暖化をはじめとする今日の環境危機を引き起こした人間中心主義を見直し、私たち人間と周囲の環境との新たな生態系の在り方を再検討する。出品されるのは、資本主義社会の中枢ともいえるニューヨーク・マンハッタンに小麦畑を出現させたアグネス・ディーンズの作品など。フォトレポートはこちら

会場:森美術館
会期:10月18日~2024年3月31日
予約優先制
ミューぽんで200円OFF!(1名まで割引)

キース・ヘリング展 アートをストリートへ(森アーツセンターギャラリー、東京)

1980年代のニューヨークを中心に、地下鉄駅構内やストリートへのドローイングで知られるキース・ヘリング。その作品をプリントしたTシャツなど、ファッションアイテムは日本でも人気だ。出展作品は、6mに及ぶ大型作品など150点以上。エイズによって31歳で夭折したヘリングの作家人生を振り返る貴重な機会だ。

会場:森アーツセンターギャラリー
会期:12月9日〜2024年2月25日

オラファー・エリアソン展:相互に繋がりあう瞬間が協和する周期(麻布台ヒルズギャラリー、東京)

11月24日に開館した麻布台ヒルズでは、その杮落としとしてオラファー・エリアソンの個展が開催中。本作に関連する新作インスタレーションや水彩絵画、ドローイング、立体作品などを公開。新作のパブリックアート《相互に繋がりあう瞬間が協和する周期》も麻布台ヒルズに設置されている。フォトレポートはこちら

会場:麻布台ヒルズギャラリー
会期:11月24日~2024年3月31日

大巻伸嗣―真空のゆらぎ(国立新美術館、東京)

空間全体をダイナミックに変容させ、観る人を異世界に誘うような幻想的なインスタレーションやパブリックアートを手がけてきた大巻伸嗣。弘前れんが倉庫に続き、国立新美術館でも個展が開催されている。本展では柱のない広大な展示空間のもと、最新インスタレーションや映像作品を公開。身体に訴えかける空間演出に注目したい。フォトレポートはこちら。なお本展は入場無料だ。

会場:国立新美術館
会期:11月1日~12月25日

もじ イメージ Graphic 展(21_21 DESIGN SIGHT、東京)

21_21 DESIGN SIGHTでは、文字とデザインの関係に注目する展覧会が開催中。本展ではグラフィックのなかでも、とくに出版物や印刷物のデータ制作の過程の多くをパソコン上で行うことが主流となった1990年代以降に注目。国内外約40組のグラフィックデザイナーのクリエイションが展示される。展覧会ディレクターはグラフィックやタイポグラフィの著書を手がける編集者・室賀清徳、グラフィックデザインの研究者・後藤哲也、グラフィックデザイナーの加藤賢策の3名だ。フォトレポートはこちら

会場:21_21 DESIGN SIGHT
会期:11月23日〜2024年3月10日

パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ(国立西洋美術館、東京)

キュビスムとはジョルジュ・ブラックやパブロ・ピカソらを中心に20世紀初頭に興った芸術運動のこと。幾何学的なかたちによって画面が構成されることが特色だ。日本での大規模なキュビスム展はおよそ50年ぶり。本展は、世界屈指の近現代美術コレクションを誇るフランス・パリのポンピドゥーセンターから、絵画を中心に彫刻、素描、版画、映像、資料など約140点(うち50点が日本初出品)が来日。詳細はフォトレポートをチェックしておきたい

会場:国立西洋美術館
会期:10月3日~2024年1月28日

モネ 連作の情景(上野の森美術館、東京)

今年は第1回印象派展から150年。それを記念し、上野の森美術館ではクロード・モネの大規模個展が開催されている。本展では同じ場所やテーマを異なる角度、異なる時間、異なる季節を通して描いた「連作」に注目。国内外40館を超えるコレクションから厳選したモネの代表作60点以上が一堂に集結する。フォトレポートはこちら

会場:上野の森美術館
会期:10月20日~2024年1月28日

上野アーティストプロジェクト2023 いのちをうつす ―菌類、植物、動物、人間(東京都美術館)

本展は、人間以外の自然界のいきものを「うつす」ことに取り組み続けてきた作家を紹介。出展されるのは、様々な土地に生息するキノコを描く小林路子、国内におけるバードカービングの先駆者・内山春雄、酪農の現場で働きながらウシたちを木版画にとらえた冨田美穂ら6名による作品。動物や植物というありふれた題材を、数十年にわたって追い続けた作家たちのまなざしに注目したい。

会場:東京都美術館
会期:11月16日~2024年1月8日
ミューぽんで100円OFF!(2名まで割引)

豊嶋康子 発生法──天地左右の裏表(東京都現代美術館)

「天地」や「左右」はどのようにして決まるのか。裏と表をひっくり返すとはどういうことか。豊嶋康子は、私たちを取り巻く様々な制度や価値観、約束事に対し、「私」の視点から独自の方法で向き合い続けてきた作家だ。本展は初期作品から新作まで約500点が一堂に集結する初めての試み。その作家としてのデビューを飾った2作品、《マークシート》《エンドレス・ソロバン》も、全面修復され33年ぶりに公開される。フォトレポートはこちら

会場:東京都現代美術館
会期:12月9日~2024年3月10日
ミューぽんで140円OFF!(2名まで割引)

坂本龍一トリビュート展 音楽/アート/メディア(NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]、東京)

初台のICCでは、今年3月に逝去した坂本龍一の追悼展がスタート。同館と坂本はこれまで、コンサートの開催や周年企画展など、深い関わりを持ってきた。本展では、坂本の残した演奏データをもとにした作品や、坂本との関わりのある作品、これまでのICCでの展示記録などを公開。キュレーターはICC主任学芸員の畠中実に加え、ライゾマティクスの真鍋大度も名を連ねる。詳細はニュースをチェック

会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
会期:12月16日〜2024年3月10日

石川真生 ―私に何ができるかー(東京オペラシティ アートギャラリー)

沖縄を拠点に精力的な制作活動を続ける写真家・石川真生。その作品は国内外の美術館に収蔵されているにもかかわらず、これまでその活動を振り返るような大規模個展は開催されていなかった。本展では、2014年から取り組んでいるシリーズ「大琉球写真絵巻」の新作を中心に、初期からの主要な作品を公開。半世紀以上にわたって沖縄の地をまなざしてきた写真家の作歴が概観できる。本展にあたって行った石川へのインタビューはぜひ読んでおきたい。

会場:東京オペラシティ アートギャラリー
会期:10月13日~12月24日
ミューぽんで200円OFF!(2名まで割引)

梅田哲也展 wait this is my favorite part 待ってここ好きなとこなんだ(ワタリウム美術館、東京)

回遊型の個展「O才」や船で夜の水路を巡る「入船(ニューふね)」など、様々な場所でツアー形式の作品を発表してきた梅田哲也。本展は、ワタリウム美術館を劇場と見立て、ツアー形式の舞台公演として開催される企画。美術館の建設以前や建物に刻まれた行動の痕跡を辿りながら、鑑賞を楽しみたい。

会場:ワタリウム美術館
会期:12月1日〜2024年1月28日(1期:〜1月14日、2期:16日〜)

「前衛」写真の精神: なんでもないものの変容(渋谷区立松濤美術館、東京)

千葉市美術館や新潟市美術館などで開催されてきた本展が、松濤美術館へ。写真におけるシュルレアリスムを説いた瀧口修造、瀧口とともに「前衛写真協会」を設立した阿部展也、ふたりに魅了され「なんでもない写真」というシリーズを手がけた大辻清司、大辻の愛弟子である牛腸茂雄。本展は、昭和という時代のなかで、この4人の作家が作り上げた「前衛」に迫る企画だ。千葉市美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック

会場:渋谷区立松濤美術館
会期:12月2日~2024年2月4日

即興 ホンマタカシ(東京都写真美術館)

行政やデベロッパーによる画一的な開発が進む東京郊外の風景と人々を、叙情性を排した視点でとらえた写真で知られるホンマタカシ。国内の美術館での個展はおよそ10年ぶりだ。本展では、ピンホールカメラの技法を用いて撮影された近作2シリーズなどを公開。写真・映像表現の在り方に問いを投げかける。フォトレポートはこちら

会場:東京都写真美術館
会期:10月6日~2024年1月21日

見るまえに跳べ 日本の新進作家vol.20(東京都写真美術館)

本展は写真・映像を用いる若手作家を発掘・紹介を目的に、2002年から開催されている企画。今年のテーマは「見る前に跳べ」。現代社会を通底する「深い孤独」と向き合い、生きるための原動力のありかを示す作家たちが紹介される。出展作家はうつゆみこ、淵上裕太、星玄人、夢無子、山上新平の5名だ。

会場:東京都写真美術館
会期:10月27日〜2024年1月21日

マリー・ローランサン ―時代をうつす眼(アーティゾン美術館、東京)

アーティゾン美術館では、20世紀前半に活躍した女性画家マリー・ローランサンの個展がスタート。キュビスムの画家として活動をスタートしたローランサンは、第二次世界大戦中もほとんどパリで暮らし、学生時代から72歳で亡くなるまで制作を続けた。本展では関連作家との比較を交えつつ、その魅力に迫る。

会場:アーティゾン美術館
会期:12月9日~2024年3月3日

みちのく いとしい仏たち(東京ステーションギャラリー)

東京ステーションギャラリーでは、仏像のなかでも「民間仏」に焦点を当てた展覧会がスタート。民間仏とは、仏師ではない大工や木地師(きじし)の手によって造られた尊像のことで、装飾の少ない、ユニークなかたちが特徴だ。本展は、これまで注目されてこなかった北東北の民間仏約130点を集め、その魅力を紹介するとともに、日本における信仰と造形の関係を問い直す。

会場:東京ステーションギャラリー
会期:12月2日~2024年2月12日

倉俣史朗のデザイン ――記憶のなかの小宇宙(世田谷美術館、東京)

工業素材も用いた家具やインテリアで知られ、1960年代以降、デザイン界で高い評価を受けてきたインテリアデザイナー・倉俣史朗。およそ20年ぶりとなる回顧展が世田谷美術館で開催されている。出展作品には初期から晩年までの作品に加えて、その制作の過程を示す夢日記やスケッチも。フォトレポートはこちら

会場:世田谷美術館
会期:11月18日~2024年1月28日

生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ(練馬区立美術館、東京)

古賀忠雄は佐賀県出身、練馬区に長くアトリエを構えた彫刻家。日展の評議員、理事を務めながら、日本彫塑会委員長、日本陶彫会会長などを歴任した。本展では、こうした古賀の活動の中から「塑造(像)」に注目。約30点の塑像に加えて、各地に設置された作品がパネルで紹介される。

会場:練馬区立美術館
会期:11月17日〜2024年2月25日

鹿児島睦 まいにち(PLAY! MUSEUM、東京)

東京・立川のPLAY! MUSEUMでは、陶芸家・アーティストとして知られる鹿児島睦の個展が開催中。200点におよぶ新作の器や、国内外のブランドとコラボレーションしたプロダクト約100点などが公開される。アパレル、ステーショナリー、雑貨、フードなど、オリジナルグッズも多数販売中だ。ニュースはこちら

会場:PLAY! MUSEUM
会期:10月7日〜2024年1月8日

白井美穂「森の空き地」(府中市美術館、東京)

社会的慣習や風俗を引用/流用し、家具や結界などの既製品を用いて大胆なインスタレーションを展開してきた白井美穂。本展は、美術館では初の個展。およそ30年ぶりの公開となる90年代前半の立体作品や、2000年代の色鮮やかな絵画作品、最新作までが公開される。

会場:府中市美術館
会期:12月16日〜2024年2月25日
ミューぽんで140円OFF!(2名まで割引)

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。