公開日:2023年12月13日

【2023-24年】冬休みに見たい展覧会10選[西日本編]

12月下旬から1月上旬にかけて、北陸から九州まで、西日本で開催されている注目展覧会をピックアップ

左から、「生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真」(兵庫県立美術館)、「帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」(豊田市美術館)、「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ」(金沢21世紀美術館)

年末年始の冬休み期間に開催されている注目展覧会をピックアップ。北陸から九州まで、西日本の展覧会を紹介します。気になる展覧会はウェブ版でのログインTABアプリでブックマークがおすすめ。アプリでは、開幕と閉幕間近をプッシュ通知でお知らせします。

*会期・内容は予告なく変更になる場合があるため、お出かけ前には公式ウェブサイトをご確認ください。

*東京・関東編はこちら

*東日本編はこちら

金曜ロードショーとジブリ展(富山県美術館)

1986年に『風の谷のナウシカ』が初めて放映されて以来、多くのスタジオジブリ作品が繰り返し放送されてきた金曜ロードショー。本展では、1984年の『風の谷のナウシカ』から2020年の『アーヤと魔女』まで、スタジオジブリのほぼ全作品の絵コンテが公開。主人公のように撮影できるポスタースタジオや、ナウシカの腐海を表現した空間などが広がる。なお本展は日時事前予約制。詳しくはウェブサイトをチェックしてほしい

会場:富山県美術館
会期:10月7日~2024年1月28日
事前予約制

DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット) ―次のインターフェースへ(金沢21世紀美術館、石川)

デジタルテクノロジーによって私たちの生き方や感性はどのように変化していくのか。本展では、テクノロジーと生物との関係に注目。ゲームや衣食住、AIといったトピックごとに章構成が組まれ、その可能性を模索する企画だ。出展作家は、Keiken、MANTLE (伊阪柊+中村壮志)、デイヴィッド・オライリー、東京大学 池上高志研究室、シュルティ・ベリアッパ&キラン・クマール、河野富広、アンリアレイジ、HATRA、岸裕真、ジョナサン・ザワダ、GROUP(井上岳、大村高広、 齋藤直紀、棗田久美子、赤塚健)、VUILD、AFROSCOPEら。フォトレポートはこちらキュレーター4名へのインタビューも合わせてチェックしておきたい。

会場:金沢21世紀美術館
会期:10月7日~2024年3月17日

印刷/版画/グラフィックデザインの断層 1957 - 1979(国立工芸館、石川)

第二次世界大戦後、印刷技術の発展とともに美術と大衆文化の結びつきが一層強まり、複製メディアによる表現が関心を呼んだ。1957年〜79年に開催されていた「東京国際版画ビエンナーレ展」は版画家やデザイナーの発表の場となった。本展は国立美術館のコレクションから、ビエンナーレへの出展作を中心に紹介。印刷技術の進歩がもたらした可能性を振り返る。

会場:国立工芸館
会期:12月19日~2024年3月3日

帝国ホテル二代目本館100周年 フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築(豊田市美術館、愛知)

アメリカ近代建築の巨匠として知られるフランク・ロイド・ライト。その個展が、豊田市美術館で開催されている。展示されるのは、日本初公開となる建築ドローイングや図面の数々を含む約420点。帝国ホテルの設計をキャリアの中心軸として、ライトの魅力に迫る。詳細は先日公開したフォトレポートをチェック五十嵐太郎と大木裕之がロイドの魅力を語った対談も要チェックだ。

会場:豊田市美術館
会期:10月21日〜12月24日
ミューぽんで100円OFF!(1名まで割引)

ガウディとサグラダ・ファミリア展(名古屋市美術館、愛知)

スペインのバルセロナで活躍した建築家アントニ・ガウディ(1852-1926)。本展では、彼の代表作であり、完成が見えてきたサグラダ・ファミリアに焦点を絞り、その建築プロセスを通じて彼の建築思想や創造性に迫る。東京国立近代美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。ガウディとサグラダ・ファミリア聖堂の波瀾万丈なエピソードを紹介する「6つのトリビア」も合わせて読んでおきたい。

会場:名古屋市美術館
会期:12月19日〜2024年3月10日

決定版! 女性画家たちの大阪(大阪中之島美術館)

約100年前、美術界は東京と京都が中枢を担い男性作家が大多数を占めていたいっぽうで、大阪では島成園や木谷千種、生田花朝など、多くの女性日本画家が活躍していた。本展は、近代に大阪で活動した50名以上の女性日本画家とその約150点の作品を紹介する企画。画家としての社会的な成功を夢見た女性たちの活躍はもちろん、彼女たちを育んだ大阪という都市の文化的な土壌についても注目したい。

会場:大阪中之島美術館
会期:12月23日~2024年2月25日

生誕120年 安井仲治―僕の大切な写真(兵庫県立美術館)

愛知県美術館で開催されていた安井仲治の個展が、兵庫県立美術館へ。安井は戦前に関西で活動したアマチュア写真家。ピクトリアリスムから、ストレート・フォトグラフィ、フォトモンタージュ、街角でのスナップまで、多彩に写真表現を追求した。本展では戦災を免れたヴィンテージプリントとネガの調査をもとに、約200点の作品を公開。安井の活動をより実証的なかたちで提示する。愛知県美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック。企画担当者にその魅力を尋ねたインタビューも合わせて読んでおきたい。

会場:兵庫県立美術館
会期:12月16日〜2024年2月12日

回復する(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、香川)

本展は、3年以上に及んだコロナ禍を経て、弱った心身を受容しながら生きる術を考えるための希望を宿した作品を紹介する企画。「世界を考える」「個人として」「自然の姿から」「新たな希望を」の4章構成のもと、大岩オスカール、モナ・ハトゥム、米田知子、小金沢健人、畠山直哉、兼子裕代、猪熊弦一郎らの作品が公開される。

会場:丸亀市猪熊弦一郎現代美術館
会期:12月23日〜2024年3月10日

ガラスの器と静物画 山野アンダーソン陽子と18人の画家(広島市現代美術館)

本展は、ガラス作家・山野アンダーソン陽子の作品が起点のプロジェクト「Glass Tableware in Still Life(静物画のなかのガラス食器)」を紹介する企画。画家から伝えられたガラス作品のイメージを山野が造形し、それを画家が描く。さらに、写真家・三部正博が画家たちのアトリエを撮影し、デザイナー・須山悠里が本をデザインする。この連続的なコラボレーションで生み出された、クリアーガラスの食器、絵画、写真が公開される。

会場:広島市現代美術館
会期:11月3日~2024年1月8日

本橋成一とロベール・ドアノー 交差する物語(田川市美術館、福岡)

東京都写真美術館で開催されていた本橋成一とロベール・ドアノーの展覧会は、福岡県の田川市美術館へ巡回。東京・東中野に生まれた本橋は、上野駅、築地市場、チョルノービリなどを舞台に、写真家・映画監督として撮影を続けている。対してドアノーは、自身が生まれたパリ周辺を中心に、身近にある喜びの瞬間をユーモラスにカメラに収めてきた。生まれた時代・地域が異なる彼らだが、奇しくも炭鉱、サーカス、市場といった撮影ロケーションや、被写体への向き合い方に共通点が多い。本展では市井の人々の暮らしを撮影し続けてきた、ふたりの写真家の物語に迫る。東京都写真美術館での展示の様子はフォトレポートをチェック

会場:田川市美術館
会期:12月8日〜2024年1月28日

浅見悠吾

浅見悠吾

1999年、千葉県生まれ。2021〜23年、Tokyo Art Beat エディトリアルインターン。東京工業大学大学院社会・人間科学コース在籍(伊藤亜紗研究室)。フランス・パリ在住。