
左上から時計回りに、「Lightseeing Kyoto South 2026」「生誕140年記念 染織家 山鹿清華─宙翔ぶイマジネーション」「Art Collaboration Kyoto」「禅とジブリ」
美しい紅葉、豊かな食、芸術文化など、秋の京都は様々な魅力を満喫できる特別な季節。11月上旬には、「Art Collaboration Kyoto 2026」「CURATION⇄FAIR Kyoto」といった大規模アートフェアが開催され、多くのアートファンを惹きつける。ここでは日本美術からデザイン、現代アートまで、この秋、京都で見たい20の展覧会をピックアップ。紅葉狩りと美術館巡り、京都ならではの贅沢な時間を過ごしてみてはいかがだろうか。
「コラボレーション」をコンセプトにした国際的アートフェア。「ギャラリーコラボレーション」と「キョウトミーティング」のふたつのセクションを設け、出展ギャラリーが作品の展示・販売を行うほか、ACKが主催するACK Curatesの「パブリックプログラム」、パートナー企業とコラボレーションした「スペシャルプログラム」などを展開する。そのほか、キッズプログラムやトークなど、これからのアートの担い手を育成する教育プログラムも実施。あわせて会期中には、京都府内で多数のアート展示が開催される。ニュースはこちら。
会場:国立京都国際会館ほか
会期:11月7日〜11月9日
美術のアカデミックな領域とマーケットの循環を促進することを目指す「CURATION⇄FAIR」が3日間開催される。2回目となる今回は、会場を「大本山 妙顕寺」、「本山 本法寺」、「本山 妙覺寺」の三寺院へと拡大。茶の湯、祈り、芸術の精神が受け継がれる西陣を舞台に、古美術や工芸、近代美術から現代美術までの多様な作品を展示販売する。出展者は、メルボルンを拠点とするアーティストランスペース、開廊1周年を迎えたギャラリー、100年以上の歴史をもつ老舗、コンテンポラリージュエリーや北欧陶器を専門に扱うギャラリーなど、多様な専門性をもつ33軒。
会場:大本山 妙顕寺
会期:11月6日〜11月8日
紫式部によって著された『源氏物語』を、美術と文化の広がりから紹介する大規模展。光源氏をめぐる恋愛模様や人生模様は、後世に読み継がれるなかで、絵画、工芸、写本、芸能など多彩な表現を生み出してきた。本展では、源氏物語にまつわる絵画や工芸品、写本、注釈類など約250点を紹介する。京都国立博物館での源氏物語展は、約50年ぶりの開催となる。
会場:京都国立博物館
会期:10月6日〜11月29日
本展で初めて一般公開される《稚児草紙》は、14世紀初めに制作された稚児と僧侶らとの親密な関係を詞書とともに記した絵巻で、模写や書籍等を通じて実在することだけが知られていた、幻の春画。また、男女の営みを描いた日本最古の春画のひとつである《小柴垣草紙》を江戸時代の絵師・谷文晁が写した巻物も併せて展示。さらに月岡雪鼎らが手がけた肉筆による春画、そして葛飾北斎の傑作《波千鳥》に加え、上村松園や鏑木清方らが描いた「愛」にまつわる作品も展示する。
会場:福田美術館
会期:9月19日〜2027年1月17日
ミューぽんで100円OFF!
《洛中洛外図屏風》(前期展示)や《洛外図屏風》(後期展示)、原在中(1750〜1837)の《葵祭之図》など、今日でも親しまれている京の名所や行事、伝統文化を描いた作品を展示する。さらに、芸舞妓や京野菜など、京都ならではの画題を扱った作品をはじめ、富岡鉄斎(1836〜1924)や池田遙邨(1895〜1988)らが意匠を凝らした、和菓子の包装紙も並ぶ。絵画やデザインを通して、京都の魅力や暮らし、文化をあらためて楽しむことができそうだ。
会場:嵯峨嵐山文華館
会期:10月3日〜2027年2月28日
スイス出身のアーティスト、ウーゴ・ロンディノーネにとって、日本初となる個展。自然を風景としてだけでなく、人間の身体や精神、広大な時間の流れと結びつけてとらえてきたロンディノーネが、清水寺に17体の石の人物彫刻と太陽を描いた絵画、僧侶をかたどった彫刻を設置する。イヌクシュクを思わせる原初的な造形は、寺院の建築や庭園と呼応し、現代美術と古くから続く精神的な風景をつなぐ。人間の営みと自然、永続と無常の関係に思いをめぐらせる機会となる。
会場:音羽山 清水寺
会期:10月27日〜11月12日
京都駅東部・東南部エリアを舞台に、京都で活動する若手アーティストによる作品展示やトークイベント、ワークショップなどを開催する周遊型アートイベント。2年目となる本年は、会場を4ヶ所に拡大し、10組以上のアーティストやグループ、プロジェクトが参加する。「Lightseeing」という言葉は、「sightseeing=観光/名所を見ること」を踏まえながら、その焦点を「見るべき対象」から「見え方そのもの」へと移すための造語。地域の人々とアーティストの対話や協働を取り入れ、人と人、人と環境のあいだに新たな関係性を育み、アートが街の風景に自然と溶け込むことを目指す。ニュースはこちら。
会場:hatoba Gallery
会期:10月24日〜11月23日
京都芸術センターが、実績を積み重ねてきた中堅アーティストを個展形式で取り上げるシリーズ企画「FOCUS」の第7回として開催される本展。田中功起は、映像や執筆などによって「共に生きるとは何か」をテーマに、人々の協働や共同体の在り方を問い直す芸術実践を行ってきた。近年は、育児とケアの視点からアートをとらえ直す制作、執筆活動を続けている。
会場:京都芸術センター
会期:11月6日〜2027年1月11日
映像や音、身体、自然現象、人工生命などを横断しながら、約40年にわたり表現を追求してきた土佐尚子の大規模個展。ニューヨーク近代美術館(MoMA)収蔵の初期作品《An Expression》をはじめ、《Sound of Ikebana》《Genesis》《うつろひ》などの代表作から、初公開となる新作《土佐琳派:気韻生動》までを紹介する。日本文化に内在する美意識を起点に、音や映像、身体と自然現象の関係を通して探求してきた「かたちが生まれる仕組み」に迫る。
会場:京都市京セラ美術館
会期:11月7日〜11月22日
美術家であり、麻布の蒐集家・研究家としても知られる吉田真一郎による展覧会。約40年にわたり蒐集・研究してきた大麻と苧麻の白布を用いた新作《白》を公開する。素材や織りのわずかな違いから浮かび上がる「白」の多様な表情に加え、千点を超える蒐集資料を再構成した新作インスタレーションも展示。布の物質性を超えて、「見ること」や「意識」のあり方を問い直す。
会場:HOSOO GALLERY
会期:11月6日〜2027年3月20日
一般財団法人未来文化創造財団は、文化が持続的に発展する社会基盤づくりの活動のひとつとして、京都御所の西南にタイム堂ギャラリーをオープン。こけら落としとして、人類と宇宙との関係を考察する作品で知られる森万里子の個展を開催する。空間の中核をなす立体インスタレーションと、壁面を囲む平面作品で構成される本展は、作品群の共鳴によって、ギャラリー全体をひとつの「知覚の装置(アパラタス)」へと変容させる。ニュースはこちら。
会場:タイム堂ギャラリー
会期:11月6日〜2027年3月31日
京都建築センターが入居するTIME'Sは、1984年に建築家・安藤忠雄の設計で誕生した。本展では、「時間」という名を与えられたTIME'Sという建築を通して、人の手でつくられる建造物でありながら、同時に時間とともにかたちづくられていく存在としての建築について考える。知られざる建設前の景色や、建設中の写真、また竣工後の世間の受け止め方や使われ方を当時の雑誌などから浮かび上がらせ 、またオリジナルのドローイングや模型を読み取りながら、安藤がタイムズの設計にあたって考えた思考の軌跡をたどる。
会場:京都建築センター
会期:9月2日〜11月23日
フィンランドの伝説的デザイナー、カイ・フランク(1911〜89)。フィンランドのヴィープリ、現在のロシアに生まれ、ヘルシンキの中央工芸学校、現在のアアルト大学の家具デザイン科を卒業したのち、インテリアやテキスタイルのデザインに携わった。本展は、ヘルシンキ建築&デザイン・ミュージアムのコレクションを中心に、ガラスや陶磁器、ファブリック、デザイン画など250点以上で、カイ・フランクの仕事を包括的に紹介する。
会場:美術館「えき」KYOTO
会期:11月3日〜12月20日
オランダ・ロッテルダムを拠点とするグラフィックデザインスタジオ、Studio SpassとTeam Thursdayによる展覧会。タイポグラフィを軸に、遊び心あふれるヴィジュアルアイデンティティや出版物、空間オブジェクトを手がける両スタジオの作品を紹介する。紙の枠を超えて空間へと広がるグラフィックデザインに着目し、アムステルダムを中心に知られるダッチデザインとは異なる、港町ロッテルダムならではのデザインの魅力を探る。
会場:京都dddギャラリー
会期:11月4日〜2027年1月13日
「時代への眼差し」をテーマに、パリを拠点に活躍したマグナム・フォトの写真家、マルティーヌ・フランクの作品を紹介する。子供やポートレイト、アイルランド、夫アンリ・カルティエ=ブレッソンとその仲間たちをテーマに、何必館コレクションから厳選したサイン入りオリジナルプリント60点を展示。家族だからこそとらえられたブレッソンの素顔などを通して、社会や人々に向けられたフランクの豊かなまなざしに迫る。
会場:何必館・京都現代美術館
会期:10月3日〜2027年1月17日
染織芸術のパイオニア、山鹿清華の40年ぶりとなる回顧展。デザイン、素材の選択、制作までを作家自身が一貫して手がける「手織錦」を生み出し、染織を美術表現として切り拓いた作家の歩みを紹介する。祇園祭のタペストリーや、建築家・村野藤吾との協働による空間装飾など、代表作と資料を通してその知られざる創作の軌跡をたどる。レポートはこちら。
会場:京都市京セラ美術館
会期:9月19日〜12月20日
ミューぽんで100円OFF!
戦後日本におけるコンテンポラリージュエリーの歩みをたどり、身に着ける表現としてのジュエリーを問い直す展覧会。学校法人ヒコ・みづのジュエリーカレッジ所蔵作品を中心に、約50年ぶりにドイツから来日する作品や現代作家による新しい表現を含む約350点を紹介する。出品作家には、平松保城、山田禮子、伊藤一廣、オットー・キュンツリ、ワーウィック・フリーマン、テッド・ノーテンら国内外の作家70名以上が名を連ねる。ニュースはこちら。
会場:京都国立近代美術館
会期:10月24日〜2027年1月17日
ジョルジュ・ルオーは、近代化が進むフランスにおいて、同時代の芸術潮流とは距離を置いた独自の作品を生みだした画家。アサヒグループ大山崎山荘美術館の開館30周年記念企画展のひとつとなる本展では、同館所蔵の全4点のルオー作品に、日本国内のルオー研究の拠点であるパナソニック汐留美術館の所蔵作品約35点を加え、画家が聖俗両方の主題に表した祈りを浮き彫りにする。レポートはこちら。
会場:アサヒグループ大山崎山荘美術館
会期:9月19日〜12月6日
ミューぽんで100円OFF!
住友家第15代当主・住友春翠の没後100年を記念し、春翠が関心を寄せた近代美術に焦点を当てる。明治中頃から大正時代にかけて、同時代の作家たちとの交流を通じて作品を収集した春翠。本展では、作品との出会いを時系列に沿ってたどりながら、その美意識をひもとく。「家」と「私」というふたつの意識を手がかりに、収集の背景や時代性から住友コレクションの形成史を見つめ直す。
会場:泉屋博古館
会期:10月31日〜12月20日
スタジオジブリの作品に通底する、善悪を二分しない多義性や、答えを急がない余白に注目する展覧会。鈴木敏夫と禅僧による対談をまとめた書籍『禅とジブリ』を原点に、ジブリ作品を禅的なまなざしから読み解く。作品の世界を通して、「分けない」「決めつけない」「ありのまま観る」という禅の思想にふれる体感型の展覧会となる。レポートはこちら。