
左上から、「没後20年 ナムジュン・パイク| じゅげむ展」、「RYUICHI SAKAMOTO + SHIRO TAKATANI AMBIENT KYOTO - TOKYO」、「トニー・アウスラー:技術と霊知のはざま~魔術、メディア、アート~」
夏の終わりから秋にかけて、メディア・アートの展覧会が各地で開催されている。ナムジュン・パイクの没後20年を記念する大規模展、出光真子の全収蔵作品を公開する回顧展と、メディア・アートを切り拓いた作家たちを振り返る機会が続く。同時に、没入型インスタレーションやMR、アンドロイドを用いた展示など、テクノロジーと人間の関係を問い直す現在進行形の実践も少なくない。ここでは、編集部が選んだ10選を紹介したい。
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「ヴィデオ・アートの父」として知られるナムジュン・パイクの没後20年を記念する大規模展覧会が、生前からパイクと関係を深めてきたワタリウム美術館で開催中。60年代からテレビやヴィデオをいち早くアートに取り入れたパイクは、テクノロジーと東洋の思想を融合させ、テレビと人間、自然との関係を問う作品を制作してきた。本展はAIや新たなテクノロジーが急速に発展する現代においても色あせないパイクの作品を通し、その創造性と思想を改めて見つめ直す。レポートはこちら。
会場:ワタリウム美術館
会期:7月19日〜11月23日
ミューぽんで300円OFF!
日本における実験映画およびヴィデオ・アートの先駆的なアーティストである、出光真子の大規模な回顧展にも注目してほしい。出光は1970年代より、フィルムとヴィデオを用いて、女性の生き方や家族、フェミニズム、ジェンダー、メディアと社会の関係を主題とする作品を発表してきた。同館は2016〜2017年度、作家本人より全フィルム・ヴィデオ作品のデジタルデータと主要なインスタレーション作品を収蔵。本展では、その全点を展示と上映で紹介する。レポートはこちら。笠原美智子によるレビューも公開中。
会場:東京都写真美術館
会期:6月18日〜9月21日
映像、彫刻、音、光を組み合わせ、不気味でありながらユーモラスな作品を生み出してきたトニー・アウスラー。映像を立体物へ投影する表現の先駆者として、テクノロジー、人間心理、信念、社会の複雑な関係を問い続けてきた。東京・虎ノ門のTOKYO NODEで開催中の本展では、初期の作品から最新作までを通覧し、科学、魔術、未確認現象などに関するアーカイヴ資料も紹介する。レポートはこちら。オカルト研究家の角由紀子との対談もチェックしてほしい。
会場:TOKYO NODE
会期:7月3日〜9月27日
ミューぽんで100円OFF!
坂本龍一と高谷史郎による没入型インスタレーション作品《async - immersion》が東京で初公開される。本作は、坂本の2017年のアルバム『async』をもとに、高谷による映像と立体音響から構成される。坂本は「空間に音を立体的に設置する」という「設置音楽」のコンセプトを追求してきた。本作は、その実践である「async」シリーズの集大成とも言える。「AMBIENT KYOTO」に続きZAKが音響ディレクターを務め、麻布台ヒルズギャラリーの空間に合わせて再構成される。ニュースはこちら。
会場:麻布台ヒルズ ギャラリー
会期:8月28日〜10月25日
坂本龍一と、トッド・エッカート率いるTin Drumが共同制作した《KAGAMI》が日本で初めて上演される。坂本が晩年の4年間をかけて取り組んだ本作は、そのピアノ演奏を三次元的にとらえ、複合現実(MR)空間に再現する作品だ。現実のコンサートでは叶わない距離で、その姿を目の当たりにすることができる。グラングリーン大阪内の会場では映像、写真、テキストが展示され、坂本自身が調香した香りも漂う。五感を通じて、その音楽世界に入り込む体験となる。本展は事前予約制。ニュースはこちら。
会場:VS.(ヴイエス)
会期:6月27日〜10月12日
オンラインミューぽんで500円OFF!
メディア・アートを中心に、現代のメディア環境における多様な表現を紹介する長期展示「ICC アニュアル」。今年度のテーマは、歴史と技術、メディアの関係だ。生成AIなどの発展により、情報はかつてない速度と規模で生み出され、流通している。私たちが接する情報は、アルゴリズムによって選ばれ、再編成されてもいる。こうした環境のもとでは、何が記録され、どのように共有されるのかという枠組みそのものが変わりつつある。本展は、何が遺され、残されたものをどのように受けとめるのかという問いを通して、歴史と記憶のあり方をあらためて問い直す。レポートはこちら。
会場:NTTインターコミュニケーション・センター [ICC]
会期:6月20日〜11月8日
ミューぽんで100円OFF!
リニューアル後の市原湖畔美術館で開催される劇場型連続個展の第2弾に、キャラクターや歌を軸にした独自の物語空間で知られる笹岡由梨子が登場。笹岡は、高滝ダムの建設によって湖底に沈んだ村の記憶や、美術館の前身となった「水中彫刻公園」構想をもとに、暗闇の先に広がる異世界を舞台とした新作インスタレーションを展開する。土地の歴史と物語が交差する、没入型の展示空間だ。レポートはこちら。
会場:市原湖畔美術館
会期:7月18日〜9月23日
ミューぽんで100円OFF!
最新技術のアンドロイドによって「いのちとは何か」という問いに迫り、万博で多くの人々を魅了したシグネチャーパビリオン「いのちの未来」。本展はロボット工学の第一人者・石黒浩がプロデュースした同パビリオンを、最先端シアターの演出と空間によって再現する展覧会だ。万博で描かれた50年後の物語に、いのちの未来の選択をめぐる新たなシナリオを加え、科学と哲学が五感を通して溶け合う体験を届ける。
会場:MoN Takanawa: The Museum of Narratives
会期:7月25日〜9月25日
韓国・ソウルを拠点に活動するアーティスト・デュオ、ループンテール(Loopntale)を日本で初めて本格的に紹介する展覧会。ビデオゲームやインタラクティブ・インスタレーション、ワークショップなどの手法を通して、都市や社会において周縁化された存在や、普段は意識されない他者や環境との関係を探求してきたループンテール。本展では、韓国語独自の表現である「アラボダ」の実践と精神性を手がかりに、人間、非人間、テクノロジーが絡み合う世界と私たちとのあいだに、いかなる関係や対話を描きうるのかを探る。
会場:シビック・クリエイティブ・ベース東京(CCBT)
会期:8月29日〜10月4日
アーティスト、クリエイティブディレクター、作曲家として個人でも活動する真鍋大度と、エンジニアの石橋素が主宰するクリエイティブ・プラクティス、ライゾマティクス。音、映像、空間、システムを横断し、人間と非人間、現実と生成、制御と偶然のあいだに生まれる知覚や経験を探求してきた。本展の中心となるのは、回転するステンレスの円盤に、ダイヤモンドの針で一筆書きの線を刻み続けるプロッターだ。会場では、稼働するプロッターの実機と、刻み終えた金属作品をあわせて展示する。
会場:KOTARO NUKAGA(天王洲)
会期:9月12日〜10月17日