
左上から時計回りに:「ゴッホの跳ね橋と印象派の画家たち」、「Ryuichi Sakamoto & Tin Drum KAGAMI+」、「テート美術館 ― YBA & BEYOND 世界を変えた90s英国アート」、「マリメッコ展」
7〜8月の夏休み期間に、関西の美術館や博物館、ギャラリー等で開催されている、注目の展覧会をエリア別に紹介。気になる展覧会を見つけて、夏の予定づくりに役立ててほしい。
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17世紀オランダ絵画を代表するフェルメールの最高傑作のひとつ、《真珠の耳飾りの少女》を中心とした展覧会。日本での本作の公開は14年ぶりとなり、おそらく最後の機会となるだろう。フェルメール最初期の作品《ディアナとニンフたち》と、同時代のオランダ絵画の名品もあわせて紹介される。ニュースはこちら。
会場:大阪中之島美術館
会期:8月21日〜9月27日
本展は、1980年代後半から2000年代初頭にかけて制作された英国美術に焦点を当てる展覧会。当時「ヤング・ブリティッシュ・アーティスト(YBA)」と呼ばれた作家たちによる、大衆文化、個人的な物語や社会構造の変化などをテーマとした独創的な作品を紹介する。約50名の作家によるおよそ90点の作品を通じて、90年代の英国美術創作の軌跡を検証する。レポートはこちら。あわせて「特集:YBA 90s英国美術は、いま何を語るのか」もチェックしてほしい。
会場:京都市京セラ美術館
会期:6月3日〜9月6日
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シアスター・ゲイツは、陶芸・彫刻・音楽・パフォーマンス・都市開発など多岐にわたる実践を通じて、荒廃しつつある空間やアーカイヴ、歴史や儀礼に新たな未来を構想し続けてきたアーティスト。いっぽう、元禄元年(1688)に創業したHOSOOは、伝統的な染織文化を背景にしつつ、革新的なテキスタイル制作に取り組んでいる。本展は両者が出会った2024年の「シアスター・ゲイツ展:アフロ民藝」(森美術館)の対話から生まれた作品群を紹介する。レポートはこちら。
会場:HOSOO GALLERY
会期:4月11日〜8月30日
カール・ヴァルザーは20世紀前半に活躍したスイスの芸術家。優美な線や色彩に深い意味を潜ませた独自の画風と、視覚芸術、舞台、出版文化を横断する総合的な創造活動が近年再び注目を集めている。1908年には日本を訪れ、明治期の風俗や風景も描いた。本展はヴァルザーの日本初の回顧展であり、出品作すべてが日本初公開となる。絵画や素描など約150点を通して、その多角的な創作の魅力に迫る。東京ステーションギャラリーのレポートはこちら。
会場:大阪中之島美術館
会期:7月4日〜9月27日
本展は、ヨーロッパ有数の質と量を誇るドイツ・ケルン市のヴァルラフ=リヒャルツ美術館・コルブー財団のコレクションより、フランス印象派とその前後に焦点を当てる展覧会。伝統と新しい芸術のあいだで葛藤したマネやコロー、光の表現を追求したモネやルノワール、理論的に美を追求したセザンヌやシニャック、個人の感性を色彩で解放したマティスやユトリロまで、時代を彩った画家たちが一堂に集う。マネの《アスパラガスの束》やゴッホの《跳ね橋》など42名の画家による70点を通して、近代絵画の潮流とその革新の軌跡をたどる。ニュースはこちら。
会場:あべのハルカス美術館
会期:7月4日~9月9日
1964年に個展「17才の証言」で作家デビューした今井祝雄は、矩形や不定形の白色レリーフ作品を多数制作した。当時の今井作品の大半は現在海外にあるが、本展では国内に僅かに現存するビンテージ作品、1960年代作品の再制作、さらに多彩な展開を見せる新制作といまなお作家が取り組む白色作品に焦点を当てる。今井の創作の原点にある白の作品世界を改めて体感できる展覧会だ。
会場:ARTCOURT Gallery(アートコートギャラリー)
会期:7月11日〜8月29日
生命が誕生してから40億年、地球上の生命体は幾度もの大量絶滅を乗り越え、新たなグループが繁栄することで多様性を増してきた。本展では、なかでも規模の大きかった5回の「大量絶滅」事変(通称「ビッグファイブ」)に焦点を当て、化石や溶岩に残された証拠から、生き物たちの生存をかけた進化の歴史をたどる。
会場:大阪市立自然史博物館
会期:7月17日〜10月12日
2022年に愛知県に開園したジブリパークの“いま”を伝える展覧会。お馴染みのジブリ作品に登場するキャラクターとの出会いを楽しめる、「移動遊園地のような」空間になるという。体験型展示や貴重な資料展示に加え、大人も子供も想像力の世界へ飛び込める貴重な機会になりそうだ。ニュースはこちら。
会場:ATCギャラリー
会期:7月18日〜9月26日
本展は、2027年に迎える国立国際美術館の開館50周年を記念し、同館の所蔵品を通して美術の潮流やその背景を振り返る展覧会。2期制の第1期「コレクション1」では、「近代美術の父」とも称されてきたポール・セザンヌの作品から1960年代半ばまでを対象とする。同館を代表する作品群を通して、いまも再考と更新のなかにある美術の展開をたどる。
会場:国立国際美術館
会期:7月19日〜11月3日
笹本晃はニューヨークを拠点に、パフォーマンス、インスタレーション、映像など多様なメディアを横断しながら表現活動を行い、空間に身体を介在させる即興的パフォーマンスで国際的に高く評価されている。本展では、初期の代表作からキネティックな要素が強まる最新作まで、ユーモアと実験精神に満ちた笹本の創作を紹介する。東京都現代美術館のレポートはこちら。
会場:国立国際美術館
会期:7月19日〜11月3日
《KAGAMI》は、坂本龍一とトッド・エッカート率いるTin Drum(プロデュース・ヴィジュアル制作)が共同制作したプロジェクト。坂本のピアノ演奏を三次元的にとらえ、複合現実(MR)空間に再現する。現実のコンサートでは叶わない距離で坂本の姿を目の当たりにする、いままでにない没入体験だ。会場では映像、写真、テキストのほか、坂本自身が調香した「香り」も漂い、五感を通じて坂本の音楽世界に入り込むことができる。本展は事前予約制。ニュースはこちら。
会場:VS.(ヴイエス)
会期:6月27日〜10月12日
倉敷安耶は、宗教を主題とした名画にウェブ上の画像や自身が撮影した写真を組み合わせ、コラージュの制作を通して自己と他者、共同体との関係を探究している。本展では、美術館の所蔵作品をモチーフにした倉敷の新作を展開する。京都の美術という大きな枠組みで語られてきた作品に自身の身体的経験や感覚を重ね、個人の記憶と歴史のあいだに新たな関係を築く。
会場:京都市京セラ美術館
会期:5月30日〜8月30日
フィンランド生まれのマリメッコは、ファッションやインテリアの枠を超え、新しいライフスタイルとコンセプトを提案するデザインハウス。1951年の創業以来、3500種類以上の独自のプリントデザインを生み出し、日本でも世代を超えて長く愛されている。本展は、多様な年代のドレス、アートワーク、ファブリックを通じて、マリメッコの創造の美学と受け継がれたプリントメイキングの技法に多角的に光を当てる。会場では、アートユニット・plaplaxによるマリメッコの制作プロセスをとらえた映像作品と、デザイナー・皆川明によるインスタレーションも展示される。ニュースはこちら。
会場:京都府京都文化博物館
会期:7月4日~9月6日
19世紀イタリアの画家アントニオ・フォンタネージ(1818〜82)は、スイス、フランス、英国などヨーロッパ各地に滞在し、バルビゾン派やターナーらから影響を受けながら詩情豊かな独自の風景画を生み出した。本展は、光と自然への貪欲な関心をもとに風景画を生涯描き続けたフォンタネージの、初期から晩年に至る作品群を概観する。ニュースはこちら。
会場:京都国立近代美術館
会期:7月18日〜10月4日
江戸時代後期に活躍した浮世絵師・歌川国芳(1797〜1861)は、ジャンルにとらわれず当時の江戸っ子たちを喜ばせる作品を生み出し続けた。本展は、「相馬の古内裏」「みかけハこハゐがとんだいゝ人だ」「其まゝ地口猫飼好五十三疋」をはじめとする200点を6つのジャンルに分けて紹介し、国芳の多彩な表現の魅力に迫る。
会場:京都市京セラ美術館
会期:7月18日~9月23日
本展は、2006年から4年間にわたり兵庫県立美術館の館長を務めた美術評論家・中原佑介に焦点を当てた展示。国内外の戦後美術を独自の視点で切り取ってきた中原の言葉をたどりながら、同館のコレクションを紹介する。あわせて、中原の日本近代に関する著作をひもときながら紹介される近代洋画コレクションも見逃せない。
会場:兵庫県立美術館
会期:4月28日〜9月23日
本展は、今年で90歳を迎える横尾忠則が80代後半に取り組んだ新たな連作の展示。「連歌」になぞらえ「連画」と名付けられた新作約60点が一堂に公開される。故郷の兵庫県西脇で同級生たちと撮った記念写真をもとに描かれた《記憶の鎮魂歌》を起点に、テーマにとらわれることなく湧き出すイメージの軌跡を体感できるだろう。
会場:横尾忠則現代美術館
会期:5月23日〜8月30日
ゴジラは2024年に生誕70周年を迎えた。誕生から現代に至るまで、数々の映像作品のなかで、手がける監督によって異なる存在として描かれてきた。本展は、映画の枠を超えた多様なアートとしてゴジラを表現する展覧会。現代に生きる国内外のアーティストたちが「ゴジラとは、何か。」という問いに、それぞれの答えをアート作品として提示する。
会場:神戸ゆかりの美術館
会期:7月5日〜9月6日
幕末・明治期に活躍した絵師・河鍋暁斎(1831〜89)。神仏画から戯画、動物画、妖怪画と手がけた作品は多岐にわたり、独自の画技と発想で知られる。本展では、世界有数の暁斎コレクションを持つイスラエル・ゴールドマンの所蔵作品より、日本初出品の肉筆画や保存状態の良い版画など約100点を紹介する。
会場:神戸市立博物館
会期:7月11日〜9月23日
素朴さと洗練されたデザイン性をあわせもつチェコの絵本。チェコでは、母国語や自国の文化を守り伝えるため、多くの作家が芸術性の高い絵本を生み出してきた。本展は、チェコの児童書の歴史を振り返るとともに、海外でも注目を集める絵本作家たちの創作を、原画、リトグラフ、デッサン、制作過程の資料などから紹介する。
会場:芦屋市立美術博物館
会期:7月14日〜9月27日
福富太郎は1964年の東京オリンピック開催による好景気を背景に、全国各地にキャバレーを展開した実業家であると同時に、独自の審美眼で数多くの美術品を蒐集していた。知名度に頼らず自身の眼で作品を選び、美術に関する積極的な情報発信にも取り組んだことからそのコレクションの重要性が注目されている。本展では、福富コレクションの全体像を提示する。美術史家・山下裕二を監修に迎え、鏑木清方の10数点をはじめ、明治から昭和40年代までの油彩画など絵画作品80余点が展示される。
会場:滋賀県立美術
会期:7月3日~8月30日